じゃあ、帰ろうか

病院に着く直前に絵里奈えりなに、


「もうすぐ着くよ」


と電話を入れた。


「分かりました。玄関フロアに降りておきます」


彼女はそう応えてくれて、タクシーが病院に着いて僕が玄関フロアに入ると、ベビーカーを押して衣装ケースを引いた彼女がちょうどドアのところまで来てくれてた。


「じゃあ、帰ろうか」


「はい」


お互い笑顔で簡潔にやり取りして、絵里奈がよく寝てる玲緒奈れおなを抱き上げ、僕はベビーカーをたたみスーツケースを持った。そしてタクシーに戻ると、後部座席にセットされたチャイルドシートに玲緒奈を寝かせる。チャイルドシートは、僕達が用意してあったのをセットしてもらったものだった。


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