1章 見習い魔術士

第1話 2人の見習い魔術士〈紹介有〉

「おっはようございまーーす!!」

「朝っぱらから騒々しいな…」

挨拶から性格が滲み出る2人。『風の魔導師』の下で魔法を学ぶ『見習い魔術士』だ。



〈見習い魔術士 カイン・ソラール〉

前の台詞のやつ。

魔法使い歴半年の超絶新米。しかしポテンシャルがかなり高いそうで、風の魔導師直々に弟子に任命した期待の新人。

性格はわんぱくで負けず嫌い。トライアンドエラーの多い魔法学を楽しんでいる。

見た目は長い金髪に白と水色の色眼(いわゆるオッドアイ。魔法使い特有の眼とされている)で、髪は普段結んでいる。女子と間違われることもあるが、れっきとした男の子である。人間族の14歳。


〈見習い魔術士 ルーカ・フレイア〉

後の台詞のやつ。

カインの先輩にあたる、かなり歴の長い見習い魔術士(という噂)。風の魔導師とは長い付き合いらしく、会話はタメ口である。

性格は無口。人見知りらしく、半年たった今もカインと話すのは苦手だと言う。

見た目は黒髪に赤と紫の色眼。カインと反対に見た目から男性と間違われることもあるが一応女性である。ただし言動は男性っぽい。

人狼族で、見た目は20代だが実年齢は49歳。人狼族含む亜人族は長命である。



性格は真反対な2人だが、共に魔法を学び成長してきた2人は気の合う仲間だった。

「あれ、リークさんは?」

「あぁ、あいつなら多分寝てるよ。昨日遅くまで研究してたからな」

「じゃあご飯食べちゃいましょ!」

「食いしん坊だなぁ…」

ルーカは完全にお婆ちゃんの言動である。


「おあよぉ…」

「リークさん!おはようございます!」

「おはよう、ねぼすけ」「うぅーん…」

間抜けそうに起きてきた彼こそ、六大魔術師の1人『リーク・フェリト』である。

「リーク様!配達に参りました!」

「了解、すぐ行くよ」シャキッ!

「切り替わり早すぎだろ」

「ほわほわの姿を見せるわけにはいきませんからね…w」



〈風の魔導師 リーク・フェリト〉

神国アイギス最強の魔法使い『六大魔術師』の1人。風の魔法を極めたため『風の魔導師』と呼ばれている。一応他の魔法も使える。

性格は気弱で少しだらしないのだが、六大魔術師としてのプライドからか、他者の前では弱みを見せないようにしている。

見た目は黒髪に緑と紺の色眼。また頭に大きな獣耳が生えている他、背中(というか尻)から黒い狐の尻尾も生えている。

耳尻尾から分かる通り妖狐族で、見た目は20代だが実年齢は46歳。



風の魔法を利用した早着替えによりリークは『かっこいい風の魔導師』を演じきる。だが弟子2人の前ではただのだらしない男である。

「今度は何頼んだんだ?」

「今話題の安眠グッズ〜」

「お前いっつも爆睡してるくせに」

「起きれないって事は熟睡できてないって事でしょ!?だから必要なの!」

「朝起きれないって自覚はあるんですね」

「ゔっ…」「何自滅してるんだ」

師匠と弟子の関係とはいえ仲は良い為、雑談も大いに盛り上がる。

「さて、そろそろ僕はいきますね!ごちそうさまでした!」「おう、気をつけて」

カインは14歳、まだ学生である。故に今はリークの家から学校へ通っている。魔法が使える事を除けば、彼もただの子どもなのだ。鞄を担ぎ、靴を履いて、家を飛び出す。その後ろ姿を、ルーカが見守る。

「元気なのはいい事だが、急いてもいい事無いぞー。」

家族のようなこの生活が、彼らの日常だ。

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