第79話 ダンジョン観光ツアー?
その後のダンジョン攻略は順調である。
魔物達は常に現れるがこちらに接近する前に全て『無限域の箱』の異空間へと消えてもらっている。
「あっ……また接近していた魔物が消えました」
「シフォン~おじさんの魔法の方が多分ずっと速く魔物を補足して処理してるんだよ」
「それは分かってますけど、むぅ~~~…」
シフォンが珍しく不貞腐れてる。写真とかに収めたらきっと更なるむぅ~を見せてくれるだろう。
「ラベル、この先にトラップがあるぞ」
「分かりました」
ディアナの言葉に足を止める一同。一見すると何もない通路だが…。
用務員おじさんは魔法を発動した。
『罠解除』の魔法である。
ガチャンと言う音がしたと同時に何かの仕掛けが動く音がした。
「魔法で罠は解除しました、恐らく通路が消えて落とし穴になるというトラップだったんでしょう」
「………えっもうトラップを?」
「はい、魔法のトラップは魔法で大体どうとでもデキますからね」
「…………そうか」
微妙な表情のディアナである、もしかして彼女も何かトラップを無効化出来る魔法のあてとかあったのかな?
だとしたら悪い事をしてしまったかも。
「まっまあ物理的なトラップだと全てがそうとはいきませんけどね…」
「そ、そうか?」
「むむっ! おじさん、あの壁なんか怪しいよ!」
「魔法で確認します……壁から矢が出るトラップですね、かなり原始的ですが魔法で矢が飛び出る穴は完璧に隠されてますし矢には毒がありますね」
壁に向かって『破砕の雷』をかます、矢が出て来る穴の位置も用務員おじさんは把握しているのでその穴にドトンとサンダーをプレゼントだ。
「………やはり我が師程になると魔法で万事解決するようですね」
「いや、これは……」
さっきから活躍の場がないディアナからの視線が痛い。アルティエは何を考えてるのか分からないのでテキトーに話を合わせる。
『星魔の塔』はまん中のエレベーターの乗ると一気にボス部屋に直行コース、入るつもりはない。
どうせまだ復活してないし、してたら最悪なので確認しにいくとか絶対にしない。
今からのダンジョン攻略はそのボスである腐ダマとの再戦の可能性を考えてのボス弱体化とダンジョンからの脱出用の飛行艇のエネルギー源とする為にダンジョンコアを奪取するのだ。
リエール達には言ってなかった事がある。
前世がゲーマーである用務員おじさんにとって『本格的なダンジョン攻略』と『普通のダンジョン攻略』は違う。
本格的なヤツはボスまで完全に倒すのがそうだ、そして普通のヤツはダンジョンのお宝とか中ボスまでは事前にしっかりお掃除しておく事を指す。
リアルダンジョンは魔物のリポップもそんな直ぐに行われる事は無いはずなので数を減らせばその分ダンジョンの戦力は確実に減っていく。
と言うのも師匠の受け売りだ。
師匠曰く、ダンジョンの魔物の数には上限がありそれ以上の数は魔物をコントロール出来なくなるからだとか。
つまり魔物を生かした状態で大量に封じる事が出来れば魔物が一切いないダンジョンに変える事が出来るのだ!
魔物さえ居なければ彼らを引き連れてもダンジョン観光ツアーとか出来るかも知れない、故に用務員おじさんは魔物のお掃除に勤しむのである。
近づく魔物はお掃除お掃除、久しぶり用務員として働いている気分である。
「ラベルさん…何か生き生きしてないか?」
「あの顔は多分下らない事を考えてる顔だとデュミナは思うけど?」
ラビスに失礼な事を吹き込むんじゃないよ平ら~ツインめ。
中央のエレベーターを無視して探索する場合、塔の内部は螺旋状に通路が幾つもありかなり入り組んでいた。
通路自体がかなり広いのは大きな魔物も通れる様にだ。そしてこの塔の大きさもかなりの物だということである。
ダンジョン故に様々なトラップもあるが、『天眼』の魔法とか使えば案外簡単に見つかるし魔力をソナー代わりに放てば塔内の壁や床の内部まで変なトラップがないか分かる。
……やっぱ魔法さえ使えればダンジョントラップなんて怖くないかもしんないな。
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