第78話 お掃除魔法

 先ずは敵キャラのステータスを確認。


 【名前:ウーゴ】

 【種族:白石像魔ホワイトガーゴイル

 【HP:8700/8700】

 【ATK:2000】

 【DEF:3200】

 【魔法、物理攻撃どちらにも強いと言うダンジョンの嫌われ者な魔物の一体。その身体は石だがそんじょそこらの石よりもはるかに固い、その身体を所詮は石だとバカにするものにはのしかかって制裁してくる】


 【名前:ドム】

 【種族:黒鉄起動兵ブラックゴーレム

 【HP:13000/13000】

 【ATK:3000】

 【DEF:2500】

 【物理攻撃に強い大型の戦闘用ゴーレム。人型サイズなので素早く小回りが利きその戦闘力は高い。しかし機械なので雷魔法には弱い。水魔法は防水仕様なのでへっちゃらであるがパーツを千切られてた所から水を注がれると流石にショートする、言葉は分かり暴言を吐いてくる相手を優先的に狙う】


 【名前:レジェン】

 【種族:奇怪仮面ワンダーペンソナ

 【HP:1500/1500】

 【ATK:1000】

 【DEF:1600】

 【様々な行動妨害の魔法を使用してくるダンジョンの嫌われ者。目潰しの『炸裂する光』や視界と音を奪う『無音の影』、他にも様々な状態異常を狙って来る。仮面をバカにするとめっちゃ怒る】


 【名前:ノシノシ】

 【種族:牛魔巨人ブータウロス

 【HP:20000/20000】

 【ATK:3600】

 【DEF:1500】

 【その見上げる程の巨体から繰り出される一撃で大ダメージを与えてくる魔人型の魔物。頭の小さな角は何気にオシャレに気を遣っている、あと太っている事をバカにすると怒る】


 うむうむ、軒並み敵さんの戦力は理解した。

 これらが既に数えるのも馬鹿らしい数こちらに集まってきている。


 してもコイツら総じて馬鹿にされると怒るんだな。ゲームでもやらと盾職タンクの挑発スキルが効いた理由を異世界に来て理解したよ。


 さてと、それじゃあお掃除を開始しますか。

 迫る魔物達に用務員おじさんは挑発スキルを発動した!


「……石コロが原材料のモンスターですか、雑魚決定ですね~~」

「グォオオーーッ!?」

 白石像魔がこちらをにらむ、挑発成功だ。


「実にポンコツそうなガラクタだ、ウチのゴーレムの方がはるかに先進的ですね」

「ギギギーーーーッ!」

 黒鉄起動兵がこちらを見た、挑発成功である。


「クソダサ仮面」

「きゅるぎゅるきゅるっ!」

 奇怪仮面がこっち向かって飛んでくる。挑発成功ですな。


「ちっこい角が頭の脂肪に埋まってますね~」

「ブモォオオーーーーーーッ!」

 牛魔巨人がこちらをにらむ、挑発成功ですばい。


 ものの数秒で全ての敵のヘイトを用務員おじさんに向けさせるこの挑発スキル、本当にスキルとして何かしらの効果とかあるんじゃないかと思う今日この頃。


 魔物達がそれぞれ個性的な雄叫びとか起動音を上げながら迫ってくる。

 それに用務員おじさんは『無限域の箱』で応えた。


 第一陣の魔物の軍団が消えた、音もなく一瞬で。

「うんうん、あのくらいの魔物なら問題ありませんね」

 構わず突撃してくる個体と足を止める個体が現れた、突撃してくる個体は次々と消えた。


 明らかな異常事態に魔物達も警戒する。

 ベルフォード学園の面々もまた驚愕の表情で見てくる者ばかりだ。


 ちなみに警戒する魔物達を回り込む感じで『無限域の箱』の粒子が包囲していこうとしていた。

 それに気づいたヤツがいたのか声をあげた、魔物達がザワつくが時既に遅し。


 数百を優に超える魔物の軍団は全て消えた。

 お掃除の第一段階は完了である。


「行けそうですね、基本的に魔物達は現れたら私が掃除しますので」

「「「「「…………」」」」」


 あんまりな光景にあ然とするディアナ達とベルフォード学園の面々であった。

 ごめんね、コスパとかタイパ優先だとこうなるのよ。ダンジョン攻略ってさ。

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