【第二章開始！】異世界の魔法学園で用務員をしてる産廃キャラおじさんは異次元ダンジョンで人権キャラに成り上がる（元から最強クラスの魔法使いだっただけです）

第27話 ステータスの確認

さてっ次を見てみるか。

　【名前：ニャゴス】

　【種族：黒魔猫（ブラックシャム）】

　【ＨＰ：８０００／８０００】

　【ＡＴＫ：１８００】

　【ＤＥＦ：１７００】

　【ダンジョンから生み出された猫の姿をした魔物、土魔法を操り遠距離攻撃に対処してくる。その爪や牙には毒があるので注意、スピードも速く夜の闇に紛れて人間を襲う】

　こちらもゲームに出て来たのと大差ないイメージだ、『天眼』で確認したが身体の大きさも普通の猫と殆ど変わらない、そんなのがその気になれば人間を何人も瞬殺出来る戦力を有しているのだからやはりダンジョンは恐ろしい所である。

　【名前：クソガー】

　【種族：月光蛾（ムーンモルフォン）】

　【ＨＰ：１０／１０】

　【ＡＴＫ：１】

　【ＤＥＦ：２０】

　【ダンジョンに生息する蛾の魔物、身体は頑丈ではないがとにかく夜は素早く飛んでくる厄介なヤツ、その鱗粉は魔法の発動を阻害してくる上に毒もある、顔に張り付かれてら悲鳴を上げる大惨事となるだろう。月光と呼ばれる通り夜になると薄らと光っている】

　コイツに関してはマジで顔に張り付かれたら絶叫するね、大きさがバレーボール並みにある蛾だからさ。戦闘力は皆無だが戦闘ではとにかく邪魔ばかりをしてくるデバフ要員である。ダンジョンの嫌われ者だ。

　一度の戦闘でもとにかく出て来る数が多くて速効でデバフをばら撒いてくるから本当に出て来たら黒のＧ並みの速さで駆逐していた記憶がある。

　確認してみたが、あの魔改造されたアラクネみたいなのはいなかったみたいだな。流石にアレの集団に襲われたりとかしたら全滅している可能性すらあったら助かった。

「ん？　どうしたんだラベル、何か考えごとか」

「……いえっ大した事は」

　ここで疑問に思ったのはこのディアナを含めたベルフォード学園の教師達と学生達の能力である。

　用務員おじさんしてた頃は簡素なステータスでもプライバシーな情報なので下手に確認するとセクハラとか言われる可能性があるかなと思い一度も使ってこなかった、師匠にも使った事はない。

　しかし現在我々はダンジョンで生きるか死ぬかのサバイバル中、ならばネトゲーに比べればあまりアテにならなそうな『解析』の魔法でもステータスを確認しておくべきかと思う。

　実際の所、教師達や学生の戦力を知ればどこまで身の安全を守れるのか予想は立てやすい。リエールの言葉じゃないがダンジョンでは自分の身を守れる能力がないのは足手まといだからだ。

　まあディアナ達は世界最高峰の魔法学園の人間である、その能力が用務員おじさんよりも下と言う事は有り得ない、学生にしてもラビスみたいに相性一つで俺よりも普通に強いだろうなって子がごろごろいるのだろう。

　……ただバリーみたいに（現在はどうか分からないが）実はそんな大した魔法とか使えませんでした～ってのが一番困るのだ。

　強いだろうから魔物の対処を任せたら簡単に魔物にやられてしまいましたとなったらその場の空気とか魔物を対処させた人間の立場がなくなる、当人の能力は当人が把握して欲しいものである。

　まあ、この魔法の情報の正確さはある程度レベル止まりだ、そこまで大した情報は得られない、むしろだからこそそこまで罪悪感とか無しで使えるのかも知れない。

　うん、やはり『解析』の魔法は用務員おじさんが使いやすい形に収まってくれてる魔法なのかも知れないな。早速ディアナの能力を見てみるか。

　【名前：ディアナ＝ブルーライト】

　【種族：人間】

　【ＨＰ：３２５４／３２５４】

　【ＡＴＫ：１５４２】

　【ＤＥＦ：１８２２】

　【髪は金髪、瞳の色は青。世界最高峰の魔法学園、ベルフォード学園で魔法の実技を担当している女教師、得意な魔法は雷魔法で他にも多くの汎用魔法を扱える。腰まであるウェーブのかかった金髪は何気に自慢で手入れは欠かさずしているが今は出来てなくてストレスを溜めている、元は騎士の家系から貴族となった。Ｆカップナイト】

　最期の情報は完全に用務員おじさんの性格とか人間性からの悪影響だな。能力の数字が細かいのは恐らくダンジョンの魔物はダンジョンで生成された存在だから能力が基本的に均等だからだ。

　つまり自然に生きてる生物や人間は基本的細かく数字が表示されるのである。

　しかしそれ以上に大きな問題が出て来たかもしんない。

　もしかしてさ、この世界の人間はとても弱っちい存在なのかも知れないぞ。あのディアナ先生でこのステータスはちょっと思うところがある。

　そう言えば自分のステータスとかみてなかったな、『解析』の魔法じゃレベルすら分からないからアテにしてなかった。

　ディアナの能力を見て危機感を覚えた、ちょっと自分のステータスを確認してみるか。

　【名前：ラベル＝エリアドール】

　【種族：異世界人】

　【ＨＰ：６９２２／６９２２】

　【ＡＴＫ：？？？？？？？】

　【ＤＥＦ：？？？？？？？】

　【異世界からこれといって何かしらの使命とかもなく転生してきた一般人。魔法は得意だが才覚の類はあるわけでもない普通の器用貧乏、戦力はその場の空気やテンションで乱高下するタイプの人間なので不明、年齢イコール彼女いないタイプのおじさん】

「……………」

　なんて悪意に満ちてる。何よりなんて使えないステータスなのだろうか。これだからネトゲーよりも情報が少ないステータスウィンドウはダメなんだよ。使えない魔法だな全く！