雲の形はウサギのような綿菓子色だった
夏の景色に浮かぶ入道雲を見た時に、何か見たことあるなと思う時がある。
それは大体ウサギだった。
痩せたウサギか、太ったウサギか、追われるウサギか、追うウサギか、想うウサギか、想われるウサギか
それは幾千ものウサギだった。
私の中にはウサギか飛び跳ねて、雲に沈む心の入道雲が笑っている。
暑い夕焼けに耐えられなくて、ウサギ色の綿菓子がオレンジに染まったときは、普段無表情の色も笑ったように見えた。
こうして今年2回目の夏が終わっていく。
次はどんな雲に出会えるだろうか。
朝日に流れるウサギの耳が見てみたい。
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