出会ったもの

1年の4月、たまたま新歓祭で誘われたイラストサークルに入ったのがきっかけだった。


暁は「よさこいやってみたい!」とよく分からないものに入った。私もよさこいをやってみたが、魅力的に思わなかったため、高い衣装を買わされる前に辞めた。




趣味がない私でもイラストだけは楽しさを見いだせることが出来た。ほとんど飲みサーらしいが、賞レースでは結果を出しまくっている団体だった。

「こんにちは、俺、望月梓羽もちづき しうって言います、」

新歓祭後、初めての飲みの席で戸惑っている私を心配したのか、好青年が近づいてきた。

「は、はじめまして、野中咲冴のなか ささです。」

「へぇ、ささちゃん、、、可愛い名前だね。」

やっぱり危険な臭いがしてきたので離れようとすると、好青年は私の手を取り、引き付けた。

「ごめん、今のは悪かった、せっかくのサークルだし、同じ1年生っぽいし、仲良くしたくって…」


好青年はほかの人と違って、20歳になってないからと先輩に勧められたお酒を断り、孤立してしまった積極的に1年生に声をかけていた。


私は好青年に他の1年らしき人たちの塊がいるテーブルに連れて行かれた。

「あ、あの、えと、とおるって言います、、、」

凪沙なぎさ、、なぎちゃんです。」

「咲くに冴えるで咲冴です、、、」

「改めまして、梓羽です、せっかくの1年同士、仲良くしよう!」

好青年はそう言うと、店員さんを呼び、サイダーを頼んだ。



これが、私と彼、しゅーちゃんとの出会い。

これから彼に依存して行くことも知らずに。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

らるんえべーる 兎井乃椛 @noka-momoji

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ