リスタート

第12話 進行

また同じ景色。すぐ部屋を出ていつものように歩く。これで最後。これで終わり。


俺の身をいまだに心配している彼に向き合って。


「黙ってください」


「これで最後だ」


バン!

銃声が部屋に響く。


「⁈」

博士は驚いた顔でこちらを見上げている。

彼の右手は血に濡れていた。当然だ、俺が打ち抜いたのだから。


知っているんです。あなたがタイムマシンのスイッチを右手に装備していることくらい。これで遠隔での起動は不可能になった。あとは本体を壊せばいい。


本体の方へ近寄り、銃口を向ける。しかし、それは突然の訪問者によって中断させられた。


「特殊捜査班だ!」

今回は早かったな。あなた方が言いたいことはもう理解していますよ。下手に抵抗すれば発砲……ですよね?飽きるほど見た展開ルートだ。

どうせなら一番慣れた方法で行こう。この展開は一番安定していて大体予測可能だ。


そしてどうせなら……何もなかったことにしよう。

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