第5話 被害

その銃声で倒れたのは今俺たちに叫んでいた男だった。また部屋の時が止まる。


「全員、早く逃げるんだ!」

背後の博士の声に部屋の時が動き出す。しかし中にはこれを俺たちの罠だと怪しんでいるものもいるらしく、なかなか出ていこうとしない。お前たちを追い返すためだけに人殺しなんかするか。


優先的に狙われるのはスーツを着た者たち。アンドロイドは特殊捜査班のスーツについているタグを読み取って仲間を判別している。それが今はターゲットを狙うための道具になっているのだ。

暴走アンドロイドは驚くべき精度で命を狩り取っていく。無抵抗な者から血液や細かな部品が飛び散る様は地獄絵図だった。


かつての仲間を殲滅したことがわかると、暴走アンドロイドはカメラによる環境把握に切り替えた。そして当然俺たちをとらえる。


バン!


乾いた音が部屋に響いた。

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