第37話

「茶色きのこ帰ったよ?別れたの?」


雷は人事のように言う。


「そうみたい。解決したね」


「おい真奈。あいつ殴らなくてよかったのか?」


「いい、そんなの。…ちょっと、そこの金髪くん」


「えー?なーに?」


「バカとか言って、ごめんなさい」


「え?いーよー!先人のおねーちゃんだからね!」


「なんだよその理由は」


「双子だからかなー?」


「あんたら、双子なのに性格違くない?」


「同じよ、真奈さん」


紗絵ちゃんは相変わらず冷静だ。


「あんた、なんか頭よさそうね…。大学行ってるの?」


「うん、そこの東京大学です」


「はぁー?次元が違うし!」

「え、まじで?知らなかった」


驚きだ。大学生なのはわかるけど、そこまで頭よかったのかよ!


「うわー先人!おねーちゃんとおんなじ顔してるよー!面白い!」


「は?先人と同じ?嫌なんですけど」

「俺も嫌だ」


真奈は女子なんですけど?おかしくね?


「私も雷と声似てて嫌なの」


「俺も紗絵ちゃんかと思われんのやだ!」


その後、4人で騒いで盛り上がった。お酒も飲みながら。


「ねー茶色きのことはじめて付き合ったってほんと?」


ビールを飲みながら勝手にしゃべる雷。それ噂じゃなくて、真奈が言ったから。


「そーよ!悪い?」


「俺と一緒だねぇ!その子はお嫁さんになってくれたよ!」


「は?うそ。そーなの?」


「うん、めちゃかわいい子」


「そんで巨乳な」


「えへへー」


「で、そこのおねーちゃんは?彼氏いる?」


「紗絵ちゃんは悟流と付き合ってるよ!白いきのこ頭だよ?」


「は…?」


きのこと聞いて真奈は嫌な顔をした。


「バンドやってて。髪の毛を染めてるの。別に不良じゃないよ」


「悟流のこと俺も好きだから、ぜーんぜん心配してないよ!」


「ふーん、そうなんだ」


なぜだか納得した。


「真奈、お前なんなんだよ?あのきのこ絶対Mだ。そんでお前に期待してたんだろ?キモい!ありえねー!」


「うるさい!先人なんかと一緒にしないでくれる?」


「はぁ?なんだよそれ」


「悟流ねー、紗絵ちゃんにすっごい甘えんの」


話を雷が遮る。


「キモいなそれ」


「そんなことないよ、かわいいよ?」


「男がかわいいとかキモい」


「え、でも先人くんの奥さん年上なんでしょ?絶対かわいいって思ってるよ?」


「まじかよ」


「雷もかわいいって思われてるよ?」


「え?俺かっけーのに?」


「どうみてもあんたかわいい系じゃん。自覚なし?」


「かわいい系…ゆきのちゃんもかわいいよ!」


「で?その嫁今どこいるの?」


「もう帰ってるかな?メールしよーっと」


「うっそ、来てくれんの?」


「あ、家にいるってーすぐくるよ」


メールの返信早っ

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る