第38話

しばらくして、チャイムが鳴った。


「こんばんは、雷くんに呼ばれて参りました」


「え、めちゃかわいいし!なにこの子!」


「え、あのどちら様でしょうか?」


「俺の姉です」


「あ、こんばんは…河西と申します」


「グラビアアイドルかよ!すごー」


「ね?かわいいっしょ!」


「ら、雷くん、なに話したの?」


「どんくらいーかわいいか!」


「そんなこと、恥ずかしいです…」


雪乃ちゃんは嬉しそうにしていた。


「どんどん飲んで!先人の金だから!」


「おい、雷。お前相当飲んでるけど」


「そう?紗絵ちゃんと同じくらい?」


「ごめんね。お金後で支払うから」


「いや、飲み過ぎだよ、お前ら」


「真奈さん…お話よろしいかしら?」


「え、なに!いきなり!怖いから!」


「話を整理すると、2人は気持ちがすれ違ってたんです」


「…え、なんで今話戻すわけ」


「機嫌がよくなったので」


「え、結構酔ってんじゃないの?」


「あちらは、真奈さんの高圧的な態度が好きで命令されたがってたんです。でも実際そうではなかった。真奈さんは好かれてるから一緒に行動してもいいと思えたんじゃないですか?普段はあまり人と関わらないんじゃないんですか…?」


「そうだったのかな…じゃあ私も悪いよね」


「あのきのこ、年上のくせにちゃんと気持ち伝えないのが悪い。はぐらかしたり、余計な言い回ししたりしたんですよ、あの人」


「おいおい、紗絵ちゃん怖いから」


「そもそもなんであんたら、先人と仲良くなったわけ?」


「なんでかというと、先人くんが私に声をかけたからです」


「うそーナンパかよ!」


「そうやってすぐ決めつけるのよくないですよ?」


「なによ!自分のが頭いいからって!」


「あのきのことは合わなかったんです。もう忘れて下さい」


「は?自分の彼氏のこときのことか呼ぶわけ?」


「真奈さんの元彼、Mの茶色きのこのことです」


「うわ、お姉ちゃん怖すぎ!」


「紗絵です。あなたのお姉ちゃんじゃないです」


先人くんの悩みは解決したので、よかった。

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