第35話

「おいきのこ、真奈の言うこと聞いてりゃいいと思ってんの?お前真奈のことなんだと思ってんだ」


「はぁ?先人なんなのよ」


「だから!お前は真奈のこと、好きじゃねーのになんで付き合ってんだ!」


「え…どういうこと、ですか?」


「はぁ?なに言ってんの?あきらから告ってきたしそれはありえないし」


「そこの彼氏さん、話聞いてます?感心ないんですか?」


紗絵ちゃんが話すと、なんとなくいらついてた気持ちが収まる。冷静にならなくては。


「え…」


「人ごとにしてますよね?違います?」


「ねー喧嘩しないでよー」


なにも理解してないやつが一人。ま、いっか。


「お前、本当に真奈のこと好きなのか?」


「それは…」


「なんとなく付き合ってんだろ!」


「…」


「は?明、どういうこと?」


「…真奈は一緒に住んでもくれないし、なんとなく付き合うしかない。彼女なのに、それらしいことさせてくれない!なんで付き合ってるかなんてもうわからない!」


「な、なにそれ!意味わかんない」


「じゃあ一緒に住んでくれる?」


「え、だって私ホテル住んでるし」


「意味わかんないよ、真奈」

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