双子

第34話

集合場所は高原先人宅。


「こんちわー!」

「お邪魔します」


丁寧な紗絵ちゃんだ。柚香は仕事に子供を連れてってるから安心だ。


「双子って…この人たち?」


「そ、お前に会いたかったがってた」


「はじめまして~高原まなです。モデルです」


「モデルって?なに?」


「は?そんなことも知らないの?これ、載ってるし!ほら、これ私!」


真奈は雑誌を持ち歩いているようだ。自慢するためだろうな。で、彼氏は無言。存在すら感じられない。


「なんかーおばさんみたいだね!」


「はぁ?なんですって?」


「すみません、雷、だめじゃない」


雷の保護者レベルな姉、紗絵ちゃん。


「ほんとだよ?」


「ちょっとあんた失礼じゃないの?同い年って先人から聞いたけど、まじなの?あんたバカでしょ?」


「同い年に間違いないですよ。お姉さん」


「な、なによあんた。文句あるわけ?で、私に何の用?」


「先人くん、あなたのこと心配してます」


「なにが?余計なお世話よ」


「お前さ、今のままでいいのかよ」


「は?」


「その彼氏、全然喋んねーけど」


「は?それが?」


「真奈、そいつ空気なわけ?」


「別に?」


「お前なんでそんなのといるわけ?」


「は?そりゃ付き合ってるからですけど?」


「こいつ真奈のことわかってねーし、無関心だし、無反応だし。意味わかんねーよ」


「え、俺のこと?」


全然聞いてねーのかよ!このくそきのこ!

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