第27話

先に帰ってしまったので、気になって仕事の合間に紗絵ちゃんに電話した。


ら、


「先人くんと友達になったの」


…誰?


「今日会ったでしょ?雷と友達になった人」


「あぁ、え?なんで紗絵ちゃん?」


「双子の話で盛り上がって。面白かったよ」


双子?なにゆえ?


「それより、雷の嫁は?なんか言ってた?」


「別に?そうそう、今度みんなで遊びたなぁって思ったんだけど仕事忙しい?」


紗絵ちゃんは、嫁のことどうでもいいのかよ!というか双子の話ってなんだ?


というわけで、時間が空いた日に雷の家に行ってみた。もちろん嫁のいないときを狙って。


「雷お前、俺のことなんか言ってたんだろ?ヤンキーとかなんとか?」


「違うよー勝手に!」


「じゃあこの間ので許してくれたのか?」


「悟流ったらー女の子苦手なんだからー」


「うるせぇ!お前になにがわかる!女子は怖いんだぞ?群れる!」


「紗絵ちゃんは女の子じゃないのー?」


「なんだよ!それとこれとは別!」


雷とひたすらどうでもいい話してるところ


「ただいま〜酔っ払っちゃった-」


雷の嫁帰宅。


「おかえりー!なにそれー?」


雷は健気に土産にたかる。子供かよ。


「これはお土産のお菓子。私の歓迎会だったんだよ」


「へーそーなんだ!」


雷にこんな風にしゃべるのか。俺と話したときとは大違い。


「雷くん、はいどーぞ」


嫁は雷に袋を渡すかと思いきや、寄りかかった?


「ん?…ゆきのちゃん?大丈夫?」


雷は床にしゃがんだけど…


「ふふーん、雷くん」


なんだこれ、抱きついてる?て、てゆーか俺のこと見えてる?


「ま、待って!悟流いるから!」


え!?これはキス…してんの?そーなのか?


「おい…こら。なにしてんだよ」


さすがに突っ込んでみたが、なんと奴らやめない。


「まっ、ん」


な、なんだよその声!雷め!


「お、俺帰るから」


バタバタと急いで荷物を取りドアを閉めた。

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