できないことなんてないよ

第24話

「こんちはーっす」

「お？なんだ買い物か？」

金髪の雷が上の階から降りてきた。

「ビール買いに行くー」

「お前、昼間から飲むとか。元気だな。俺も買い物行くとこ」

「そーなの？じゃ一緒に行こーよ。雪乃ちゃんと遊びすぎちゃって、もうくたくたー」

「お前そういうことは、他の人には言うなよ、まじで」

「うん。わかったー」

こいつ。無邪気すぎる。

が、ビール買うのかよって感じ。

「ねー先人の奥さんっておばちゃんなの？」

帰り道、なぜかそんな話しをしだす。

「違うから」

「おばちゃんになったら、肉が垂れるって聞いたよ！本当？」

「それもいいの。お前んちだってでかいから垂れるぞ」

「でかい？よく気づいたねー」

「いや見ればわかるし」

「それ嫌なんだって。男狙い？に見えるからってー」

「まぁ、確かに。女からは嫌われそ。柚香も言ってたし」

「奥さん？なんて？」

「見過ぎ。若い子がいいわけ？ってさ」

「見過ぎてたの？」

「違う。普通にしてても見てると思われる。考えすぎなわけだ」

「ふーんそっか」

「お前、どこで奥さんと出会ったんだ？」

「だめ。秘密！」

「あっそ。お前のことよく見てくれるいい人でよかったな」

「うん！」

「で、何カップなんだ？」

「なにそれ？」

「だから胸だよ！でかいだろ！Gとか？」

「なにそれ、わかんない」

「ブラに書いてあるから見てみろ！」

「それ知りたいの？」

なんて純粋な目。

「や、だめだ。やっぱりいい」

俺が怒られる、柚香に…！

「ビール！お待たせー！」

「おかえり雷くん。遅かったね」

「先人と話してたよー！ねぇ、何カップ？」

「え、胸のこと？」

「うん」

「hだよ…」

「えっち？」

「やだ、雷くんったら。違うよ？アルファベットって知ってる？」

「なに？」

「abcとかの」

「英語のこと？」

「そう。それが順番になっててお洋服みたいにサイズがあるの」

「難しいね」

「もしかして先人さんに聞かれた？」

「うん、やっぱりいいって言われたけど」

「…興味あるのかな」

「つまりおっきいってことだよね！紗絵ちゃんはなにかな？」

「さぁ？お友達に聞いたら？」

「そっかー！そーする」

ごめんなさい紗絵さん…。