第23話

再び目が覚めたときは、お布団にいた。


「おはよー!おねーさんがねぇ、片付けてくれたよ!」


雷くんは元気いっぱいである。


「そ、そうなんだぁ…」


「お水いる?」


「うん、ありがとう…」


今何時?10時か…


「雷くんお仕事は?」


「ないよー。ねー紗絵ちゃんからもらってたご飯食べる?」


「うん」


雷くんが世話を焼いてくれてる。優しい。


「碧唯さん、お仕事行ったの?」


「わかんない」


「そっかぁ…ご飯おいしいね」


「うん、そーだねー」


私は、雷くんのこと知らない。もっと知りたい。私よりも、碧唯さんが知ってるって…なんで?


「ごちそうさま」


「ビールまた買わないとなくなりそーだね!」


「雷くん、こっちに来て…」


「ん?なぁにー?」


こちらに来てくれたので、抱きしめる。雷くんって素直。


「ねぇ、雷くん。お友達、怒ってるかな?」


「悟流のこと?」


「うん、私が怖がっちゃったから。なんか…嫌なこと言われるかもって思っちゃってて。だけど、雷くんのお友達だから、ちゃんと知り合いになりたい」


「うんうん。悟流はねぇ、女の子と話すの苦手だからまた話してみたら?」


「え、そうなんだ」


チャラチャラしてそうなのに。いや、でも紗絵さんの彼氏だ。


「悟流ねー怖いんだって!いじわる言われるからって!」


え、私と一緒なんだ。


「私、変な子に見えたかな…もう会ってくれないかな?」


「なんで?悟流は俺のこと好きだから大丈夫だよ?」


雷くんすごい自信。好き。


「私ね、面接行ったとこで、男目当てでしょって言われたの。だから…風俗の女に雷くんがたぶらかされたんじゃないかって思われるのが怖くて…」


「よくわかんないけど、男目当てってなに?」


「ほら、私胸が大きいから…」


「ん?よくわかんないけど」


「嫌なの…この胸」


「俺は好きだけどなぁ」


「ありがとう。でも、女の子には人気ないの」


「そう?あ、わかった!紗絵ちゃんは胸がないから人気なのか!」


「…それは、違うんじゃない?優しいからじゃないかな?」


「そーか!でも悟流は紗絵ちゃんの胸好きだと思うよ」


「どうして?」


「みんな彼女の好きって言うからねー」


「雷くん…お友達とそんなお話しするんだね」


「うん、バンドにいる人はみんなするよ?」


ハレンチ集団だ…


「恥ずかしいから、そういう話するのは私だけにして」


「ちょっ、ゆきのちゃん…」


「雷くん、昨日できなかったよね?しよーよー」

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