第21話
見透かされてる気分がした。たぶらかしたんだろって…。すぐ帰ってしまったけど。
「大丈夫?悟流嫌だった?」
「ううん…ただ、緊張して」
「そーなの?ご飯食べよう」
雷くんは、自分のお友達なのに嫌な顔しない。優しいんだなぁ…
「私、まだまだ料理下手だけど」
「コンビニの飽きたから、ゆきのちゃんの手作りだったらなんでもいいよ!」
かわいく笑う雷くん。
ご飯中だけど、いいかな…?
「なに?」
「雷くんと、くっついてたいな」
ぴたっと背中から抱きしめる。あったかい。
「いーよ?ご飯も食べないといけないけどね!お腹すいたし」
「雷くん、迷惑かけてごめんね」
「ううん」
すると、いきなりチャイムが鳴った。夜に誰?
「えー?紗絵ちゃんかな?」
雷くんがドアを開けたら、そこには隣の川中さんが。
「こんばんは!12時にごめんなさいねー」
なぜ夜中に訪問?
「おねーさん!寝ないの?」
「これ、あげる」
「なにこれ?ごちそー?」
「そう。晩御飯にどーぞ?」
「あの、ありがとうございます!」
タッパーにはグラタンが入ってる。
「ねぇ、雪乃ちゃんは明日おやすみ?」
「はい…」
「私も晩御飯一緒にいい?」
「いいよ?ビールしかないけど飲む?」
「あら、お酒好きなの?」
「うん、俺ビール大好きー」
「私の料理は、まずいので…こちらを頂いてもいいですか?」
「どれでも食べたらいいじゃない。お酒は飲まないの?」
「碧唯さんは…」
「私はご飯だけでいいの。さ、食べましょう」
「乾杯!ゆきのちゃんも乾杯!」
なんで来たのかな?
「おー!おいしーね」
「すごい、本格的ですね」
「よかったわ」
「ねーねー、料理好きなの?よく作る?」
「普通かな。また作ったのあげるね」
「やった!あれ…ゆきのちゃん?」
久々に飲んだら眠気が。
「ゆきのちゃーん、眠たくなった?」
「うん、でも食べたいな…」
胸が重いから、机に置く。あー、やっぱ楽。お腹すいた、グラタンを食べよ。あー机にこぼした。
「ゆきのちゃん?落としてるよ?」
「眠たい…」
「雷くん、横にしてあげたら?」
「うん、お布団出す」
私は抱えられ、お布団に。雷くん、力ある。
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