第19話

「誰だよ、お前」


先人くんのところには、金髪のまぬけそうな男が部屋に上がり込んでいた。


「こんちはー、友達っすか?」


「上のおねーさんの旦那。川中さん」


「あ、そーなんすね!俺隣の家に引っ越してきた河西っす!」


なんだよこいつ。足助優の住んでいたとこに来たわけか。バカそうなのがよく住むな。零くんの嫁以下のバカさだが。


「じゃー俺、もう帰る!じゃあねー!」


「おい、いきなりだな」


どたばたと帰ってしまった。


「あの子、高校生?」


「同い年です」


「いや、バカ丸出しだよな」


「あれは、もともとあんなんだと思います。あれ素ですよ」


「そうか…」


裏表なさそうだな…それに悩みなさそうだ。羨ましい…


「先人くんがよけい老けて見えたよ」


「え?そんな俺年老いてます?」


落ち着きすぎなんだよなぁ。


先人くんと少し話してから、家に帰る。

階段を上がっていたら、見たことない人が前を歩いていて、なにか落とした。あ、カバンの中味散乱。拾うしかねーよな。


「あ、すみません…」


大学生?え、これ、ここのカギ…


「ここに住む人ですか?」


「あ、はい。そこの部屋です」


「え、さっき見た男と同棲してるんですか?」


「え?」


「隣の家の川中と言いますが、さっきここの住人と会いまして」


「あ、そうなんですか。申し遅れましたが、河西の妻です」


「え、妻…」


大学生じゃねーのかよ!よく見たら、けっこうかわいいし…かなり巨乳だ。


「ご迷惑おかけすると思いますが、よろしくお願いします」


「あ、はい」


なんだよ、あいつちゃんと面倒見てもらってるわけな。

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