第18話

「大家さんの知り合い?」


「そーっす!よろしくっす!」


「河西です。よろしくお願いします」


若い男の子と、巨乳でかわいい系の女の子。足助優あすけすぐるの住んでいたところへ引っ越してきた。大家さんの行くお店の息子だとか。うちに挨拶に来たのだった。


「ちょっと先人さきと!どこ見てんのよ!」


妻の柚香ゆかはなぜか怒る。別に顔とか見てただけじゃん。


「私は高原です!なにかわからなかったらいつでも聞いてくださいね?」


「あ、さっきのおねーさんも言ってたっす!誰だっけ?」


「隣の川中さん。あの、私たち新婚で本当になにもわからないので…いろいろ教えて頂けたら嬉しいです」


バカそうな子かと思ったけど、この子は普通かな。


「こら、先人!どこ見てんのよ!」


まったく、柚香は何を言いたいんだ?


「…で、河西さん年は?」


「え?何年って?ひつじとかの?」


「いや、年齢だよ」


「ねんりん?」


「雷くん、いくつ?って」


「あー!俺っすか?20歳だよ?」


「まじか!」


なんとなく10代かと思った。


「あらぁ、君はうちの旦那と同い年だったのね~。もっと若い子かと思った~」


「同い年?ゆきのちゃん、同じってこと?」


「そうみたい。私は一つ上の21です」


「若いねぇ、みんな…私は言わないから。聞かないでよね?」


柚香は聞くなよオーラを出した。


「じゃあさ!友達みたいにしていい?」


無邪気な質問をしてきた。


「…それってなに?話し方とか?」


「うんそう!」


「いいよ」


「やったぁ!名前なんていうの?」


「先人」


「さきと?」


「そう。お前はらい?」


「そう!かみなりって読めるんだよ」


「へー、珍しい名前だな」


「よろしくね!」


こういうのを純粋というのか?


「おう、隣のおねーさんにはいじめられなかったか?」


「うん。なんで?」


いや、碧唯さんには癒しになるかも?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る