第13話

「あの、雷くんは、お友達にお店に無理やり連れてこられて…私がまた来てってお願いしたんです。雷くんと話したくて…お金は雷くんに必ず返します」


「…どうして雷?」


「私のこと…見てくれたんです。ちゃんと、雪乃ゆきのとして見てくれたんです」


「雷は誰でもそうするかも」


「私みたいなのでも、話してくれたんです、私…クズみたいに言われるのに」


「…借金のことは弁護士に相談するのがいいですけど…雪乃さんのお店ってどこです?ちゃんと許可を得て営業してますか?」


「いえ、それはなさそうです。隠れ家みたいなとこで…私、金融関係の人にそこを勧められて…」


「じゃあ、警察に連絡します」


こういうのは早い方がいい。


「え、でも私も捕まるんじゃ…」


「あなたのことは守ります。知り合いの弁護士に相談しますから」


「え、でも…本当に大丈夫なんでしょうか?」


「安心して。私法学部にいたの。今は教育学部だけど。勉強したつもりです」


「…あ、ありがとうございます…私なんてお詫びしたらいいか」


「大丈夫ですよ。雷、ついててあげて?いい?」


「うん、なにすんの?」


「警察に電話するからね」


連絡して、彼女を解放してあげよう。

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