第10話

そのまま寝てたけど、ふいに雷くんが起きた気配がした。


「ゆきのちゃんがお嫁さんになってくれたらいいのになー」


雷くんの声で、目が覚めた。今のは…?


「え、ほんと?」


「うん、紗絵ちゃんもゆきのちゃんのこと気に入る!」


「おねーちゃんのこと好きだね」


「うん、紗絵ちゃん優しい」


知ってる。優しい声は、雷くんと似てるもの。


「雷くん、私…お店辞める。ちゃんとした仕事するから、また会ってくれる?」


「うん。いつでも会うよ!」


お店いなかったけどね。


「そうだ!ゆきのちゃん彼女になって!そしたら紗絵ちゃんにすーぐ紹介できるよ!そんでーお嫁さんにするって言って〜」


嬉しいけど…


「仕事が決まるまで、待ってもらえるかな?」


「わかったー」


そう言うとまた雷くんは寝てしまった。

疲れさせちゃったかも。

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