第7話

待ってたけど、雷くんは帰ってこなかった。

仕事はこんなに遅いの?もう、深夜12時なのに。

諦めて帰ることにした。道を歩いていたら、目の前に雷くんが現れた。


「あり?もしかしてゆきのちゃん?」


「…うん」


「ぐーぜん!なんかいつもと違うねー!かわいい!」


そりゃ店じゃきわどい格好にメイクも派手だから。私服はセーターにジーンズである。


「雷くんのお家のお店でご飯食べたの。素敵だね」


「そー?よかった!」


「…今から時間ある?」


「うん?寝るだけだけど?」


「お金はいらないから、私とホテル行かない?」


「お家ないの?」


「ううん。そうじゃないの。雷くんといたくて」


「いーよ!」


わかってないみたいだけど…無理やり連れて行ってるみたいになった。


「私と寝てみない?だめ?」


「いーよ?でもやり方わかんない」


「私が教えるから。任せて?」


「うん、わかった」


「じゃあお風呂にしよう?すぐ準備するね」


雷くんはソファーに座ってだらけてる。

うきうきでお湯を貯める。こんなこと初めて。私には彼氏がいたことない。お店で学んだことを無意味に淡々とこなすことしかしていない。


「雷くん。もうすぐ準備できるから、一緒に入ろう」


「いいよー」


手を取ると素直についてきてくれる。


「脱がすね。…わ、雷くん…すごい筋肉!触っていい?」


勝手に脱がしてしまう。職業病?


「いいよ」


「わー!すごい!」


胸板と腹筋を触る。がっちりしてる…顔に似合わない。


「お湯溢れちゃうよ?」


「あ!ほんとだ!止める!」


私としたことが…

急いで脱衣所に戻る。


「ゆきのちゃんを脱がしてもいい?」


「う、うん」


なんだか緊張する。雷くんからそんなこと言うなんて。ニットに手をかける雷くんの手は大きい。ブラはたぶんできなそうだし、自分で取る。


「わ!すごいおっぱいおっきいね!」


「嫌?」


「ううん!好き!わー柔らかいんだねー」


いきなり触られるとは思ってなかった。不意打ち!もっと、もっと触ってほしい。


「雷くんは、触ったことないの?」


雷くんは触るのをやめる。


「ないよ?だって彼女いないもん。あ、見たことはあるよ?紗絵ちゃんの。でもすごいちっちゃい」


「…見ちゃったの?」


「うん。でもね、悟流さとるのお母さんはでっかいよ!だってね、髪切ってたとき柔らかいのが当たるんだよ!」


よくわからないけど…えい!

思いっきり抱きついた。

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