久しぶりに会う

第5話

…そう言ってたのに、全然来てくれない。

私はなにを癒しにしたらいいの?ベッドで次の客を待っていたところ…


「お金たまったから来たよ!」


「雷くん!」


何ヶ月も空いたけど、来てくれた。


「ごめんね、俺全然お金なくて!」


「いいの、来てくれて、嬉しい」


もう諦めかけてたから…

雷くんは勝手にソファーに座る。


「コンビニ辞めてねーライブハウスでお仕事してる!」


「そうなの?ライブハウスって、すごいね」


「えっへん!俺ねぇバンドしてたんだよ!」


「そうなんだ」


雷くんは生き生きしてる。それだけでなんだか嬉しい。


「ゆきのちゃん、やっぱりここの仕事辞めたら?いろんなおっさんとかとも寝るんでしょ?気持ち悪いこともしないといけないんでしょ?」


「どこで調べたの?」


「バンドの先輩が教えてくれた!ほら、これいろいろ名刺もらったんだけど、お店っていっぱいあるんだね」


「うん、そう。好きでやってる人もいるのかな」


「俺はゆきのちゃんが泣いてるのやだな」


「…ありがとう。でもお金を返さないと辞められないの」


「たくさんなの?」


「うん、弟の借金なの。…もう親とも疎遠だし、弟は万引きで捕まって…私しかいないの…」


「難しい」

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