第4話

「わ!」


雷くんを強く抱きしめた。


「私ひとりぼっちなの。雷くん、私を知ろうとしてくれて、ありがとう」


「ううん」


思ってたより身体は引き締まってて筋肉質に感じた。


「もう時間ないから、好きにしていいよ」


離れて服を脱ごうとしてたけど


「ゆきのちゃん?だっけ?」


「うん、そう」


「俺、そんなの今したくないな」


「そうなの?」


まさか拒否されるとは。


「ゆきのちゃんとお話ししたら好きになったけど、今日会ったばっかりだし」


なにが言いたいんだろ?

そんな人にはできない?それとも、そんなこと今日は気分乗らない?


アラーム音がした。


「あ、もう1時間…」


思ってるより時間経ってた。お話だけで終わった。雷くんはそれでも1万円を支払った。


「また来てくれる?」


「うーん、紗絵さえちゃんがね、危ないことしないでって言ってるけど、ここのお店危なくない?」


「その、紗絵ちゃんって?」


「双子のおねーちゃん!しっかり者だよ」


「…おねーちゃんが心配するような…店かもね」


もう2度と会えないかも…。


「ゆきのちゃんは優しいから危なくないよね?」


「私のこと信じてくれる?」


「うん!」


「雷くん、絶対また来て」

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