第20話幸せな結末

お泊まり保育失敗して3ヶ月の12月。

山崎と千紗は、一緒に映画館やドライブに行くことはあっても、結婚のけの字もない。

当初、千紗は山崎を逃したくない一心で頑張っていたが、馬鹿らしくなり、この山崎との関係をプラトニックなものにしようと思っていた。

12月24日。

山崎と千紗は居酒屋千代にいた。

「千紗ちゃん、今夜、泊まっていい?」

「えっ、いいけど、どうしたの珍しい」

山崎は、熱燗飲みながら、

「今日はクリスマスでしょ?1人は目立つ日だよ。だから、泊まらせて」

「まっ、珍しい。いいよ。」

夜の10時。

2人はクリスマスのイルミネーション輝く歩道を手を繋いで歩いた。

「ちょっと、寄り道しない」

「どこに?」

「まぁ~、付いてきなよ」

山崎はちょっと高台の真っ暗な公園の東屋に、千紗を連れてきた。


「千紗ちゃん、空見てごらん」

「うわぁ~、きれい」

「この辺り、灯りがないから、星がスッゴクきれいに見えるんだ」

「よく、見つけたね」

「飲み会の帰りにたまに寄るんだ」

山崎は真面目な顔をしていた。何かを決心して言った。

「千紗、僕と結婚して下さい」

千紗は、耳を疑った。まだ、キスしかシテないのに。

でも、山崎の心根の良さを十分知っているので、迷わず、

「お願いします」

と、答えた。

山崎は、ポケットから小さな箱を取り出した。

そして、中から指輪を取り出し千紗の左薬指に、嵌めた。

「ありがとう、山崎君。高かったでしょ?」

「ん?ま、ボーナス1回分」

そして、2人は満天の星空の下でキスをした。

この1年後に、千紗はかわいい男児を出産した。

大団円。


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恋の話しは居酒屋でしないかい? 羽弦トリス @September-0919

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