第15話楽しい日曜日

千紗は山崎と食べる朝食を作っている。

その間、山崎はシャワーを浴びさせてもらい、バッグから歯磨きセットを取り出し歯を磨いた。

鏡に映った、自分の顔を見るとまぶたがパンパンに膨れている。

昨夜は飲み過ぎた。飲酒量をコントロール出来ない自分を呪った。

すると、声が聞こえる。

「山崎さん、朝ごはん出来ましたよ」

「あ、ありがとう」

2人は、焼いた食パンとベーコンエッグとサラダ、そしてコーヒーの朝食を食べ始めた。

「美味しいです」

「ただ、焼いただけです」

「昨夜の事、すいません。酔って何も思い出せなくて」

「じゃ、わたしの言葉も?」

「千紗ちゃんの言葉?覚えていない」

千紗はため息をついた。

【この男、なかなか難しいぞ。絶対、わたしの彼氏、否、旦那になってもらう】


「朝ごはん食べたら帰ります」

「山崎さん。もっと居て下さいよ。後で、一緒にウルトラセブンの最終回の前、後編観ましょうよ」

山崎は、コーヒーをすすり、

「じゃ、お言葉に甘えていいかな?」

「もちろんです」

2人はしばらく黙って朝食を食べた。

「山崎さん、わたしもシャワー浴びてきます。適当に好きなテレビとか視ていて下さい」

千紗はシャワーを浴びた。着替えて戻ってきたのは30分後だった。

山崎はスマホのカクヨムという、アマチュア作家の書いた小説を読んでいた。

好きな作家は、羽弦トリスと兎陀岳尊とだたけるであった。


2人はソファーに座り、ウルトラセブンの最終回を観ていた。

「このシーン大好きなんです」

「あ、ダンがアンヌにウルトラセブンである事を告白するシーンね」

山崎は画面に集中していた。すると、

「山崎さん。もう一度言います。あなたが、好きなんです」

いきなりだった。山崎はたまげたが、

「ぼ、僕もだよ」

千紗が目を閉じた。山崎、藤岡にレクチャーされた、左手で千紗の体を寄せて右手を頭に回し、キスをした。

そして、2人は少しだけ離れて照れていたが、山崎の肩に千紗は頭をちょこんと乗せた。

苦難を乗り越え、2人の目標の告白とキスを済ませて、やっと恋人同士になった。

昼になると、山崎は千紗の家を後にした。

我慢していた、タバコに火をつけた。

次の目標はSEXである。山崎はチェリーだ。

また、藤岡のレクチャーを受けようと考えた。

しかし、それに至るまで苦難の道を歩かなければいけなかった。

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