第5話彼氏候補探し

「千紗ちゃんは彼氏が欲しいんだね?ひとみちゃんは?」

三浦が、

「藤岡の部署に若いヤツいるだろう?」

「うん、いるけど中川は22歳だし」

「藤岡さん、ひとみちゃんは男いらないらしいけど、わたしは28で年下はちょっと」

藤岡は、腕組みをして考えた。

「そうだ、山崎純也がいる。あいつは、30だ!」

「マジか藤岡、山崎はウルトラマンおたくじゃねえか!」

「おたくでも構いませんよ」

千紗は、頬をほんのり紅く染めて、笑顔だ。


「藤岡、山崎で大丈夫か?」

「山崎は、顔立ちは良い男だ。髪型とメガネをコンタクトレンズにすれば、変身するかも。たまに、コンタクトレンズ仕事しているが、どこの部署の男だ?と考える程、格好いいぞ」

藤岡は、チェイサーを飲みながら生チョコを食べた。

ウイスキーにチョコレートは合う。

「藤岡、オレの知ってる美容師にお願いしてみようか?」

「うん、そうしよう」


「ひとみちゃん、名古屋トランスコーポレーションなら、給料高いよね?」

「たぶん、私らの倍もらってると思う」

「ちょっと尋ねてみよう」

「ちょっと、失礼じゃない?」

と、たしなめるが、

「わたしの人生がかかってるのよ!年収を聞いてみよう」


「あ、あの~、藤岡さん、その山崎さんの年収はどれくらいですか?」

藤岡はフッと笑い、

「そうだよな、気になるもんな。こう言うことバラしちゃダメなんだが」

藤岡は、両手の指を使い、6本指を立てた。

「600万!30歳で……」

「彼は頑張ってるからなぁ。でも、趣味はウルトラマンだが、特にウルトラセブンのマニアなんだ。それでもいいの?」

「大丈夫です。いつか、会わせてもらえないでしょうか?」

千紗は話しに食らい付いた。


「しかし、君たちは塾講師なんだろ?夜遅くまで仕事だろ?」

「金曜日は私達は、朝から働き夕方には仕事終わります。塾長から金曜日だけ、夕方上がりにしてもらったんです」

「そうか。三浦、その美容師と連絡して俺たちと山崎は昼飯アガリにしてもらうぞ」

「分かったよ」

「後は、山崎がこの話しに乗ってくるか?」

「来るだろ。千紗ちゃんかわいいし、写真取らせて貰おう」

「ま、山崎には勿体無い女の子だが」


ここの支払いは、藤岡がした。

バーを出ると、やはり季節は秋。

涼しかった。

4人はその場で解散した。

ダークホースの山崎が美女を手中に収められるのか?

その時、山崎は自宅でウルトラセブンのクール星人が出てくる「姿なき挑戦者」を見ながら、くしゃみをした。

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