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 私の名前はナタリー。今日は、貴族様に魔力操作について教わっている。


 魔力操作というのは貴重なスキルらしく、使える人間自体がほとんどいないらしい。そんな貴重なことを、魔力が見えるからと教えてくれる貴族様は、優しすぎる気がする。


 折角教えてくれているのに、私の覚えが悪く全然習得できないのも、私の気分を落とす。


「うーん、難しいか」


「……申し訳ございません」


 涙が出そうになる。昔からよくボーっとしているため、とろいと怒られることも多い。こんなにとろい性格を、今ほど後悔したことはない。


「ナタリー、謝る必要はないよ」


「ですが……」


「今やっていることは、王都のめちゃめちゃ偉い人や、頭のいい人がいくらやっても出来なかったことなんだ。だから、そんなに焦る必要はないんだよ」


 じゃあ、それができる貴族様はそんな王都の人間より凄いってこと?


「……それはどうかな」


 貴族様は謙遜して否定をするが、私からするとそんな知らない人間より、身近にいるこの貴族様の方がとても凄いと思う。


「そうだねナタリー。折角だから、この魔力操作を言語化してみようか」


「げんごか?」


「そう。つまり誰でも魔力操作ができるように、言葉で説明できるレベルまで分析しよう。きっとそれが出来るころには、ナタリーも魔力操作ができるようになるよ」


「……やってみます!」


 時に自分で考え、時に貴族様からのアドバイスを受け、半年ほどかけてようやく、魔力を操作するレベルまでもっていくことができた。自分で魔力操作ができるようになり、改めて貴族様の才能の高さを実感した。

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