【24/30】Q.他プレイヤーに対するスタンスについて

 ゲームにおいては、自分のことはもちろん、周りのプレイヤーとの関わり方も重要です。


 これまでに出会ってきたプレイヤーを観察する限り、スタンスは大別して三つですね。

 自分の安全なクリアのために、利用する。

 自分の力でクリアできるから、無視する。

 自分の力でクリアした上で、他人も助ける。


 一つ目は……まあ、いかにも殺人ゲームのプレイヤーがやりそうなことですよね。

 実際、これを選ぶ人も相当数います。お金が必要になったとかの理由で、回数を限って参加してる場合ですね。目標額を稼ぎさえすれば、その後の評判なんて知ったことじゃないわけですから……騙しもすかしも、ためらうことはありません。

 が、長い目で見るといい戦略じゃないのは、さっき述べた通りです。上級者でこれを選んでる人は……例外もないではないんですが、ほとんどいませんね。


 二つ目。人に頼らない、独立独歩の戦略ですね。

 自力でクリアするんだから、別に問題ないように感じますけど……これもこれで、ときにトラブルを引き起こします。

 というのも、ゲームの中には、プレイヤー間の協力を必要とするものもあるからです。そういう場合に、単独行動をとってしまう人がいると、軋轢が起こりますよね。

 もちろん、最後に頼れるのは自分の能力なんですけど……完全なソリストも、長生きするには難しいですね。

 とはいえ、このスタンスで強い人もかなりいますよ。かくいう私も、基本的にはこのスタンスをとっています。


 三つ目。ほかのプレイヤーを助けつつクリアを目指す。

 これは……一見、わけがわからないように感じるかもしれません。生きるか死ぬかの修羅場で、どうして他人のことまで気にかけるのか、と。

 しかし、これを選ぶプレイヤーはかなり多いです。この世界に師匠と弟子の関係があるのも、このスタンスを選ぶプレイヤーがいるからにほかなりません。


 言ってみれば、これは、恨みを買うことの逆なんですよ。

 ほかのプレイヤーを助けて、クリアに導く。その人と以降のゲームで再会する。そうなればおそらく、その人には、〈貸しを作っている〉という気持ちが生まれますよね。

 ゲームにおいて、その気持ちは有利にはたらくことでしょう。いざ自分が危なくなったときに、そのプレイヤーから〈お返し〉に助けてもらえるかもしれない。

 もちろん、リスクとリターンは考えないといけませんけど……。

 これも、ひとつの立派な戦略ですよね。


 私のスタンスは、二つ目と三つ目の中間って感じです。基本的には自力でのクリアを目指しますけど、ときに他人を補助し、あちこちに貸しを作っておく。そうして、うっすら味方についてくれるプレイヤーを増やす戦略です。

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