【8/30】Q.プレイヤースキルの話
プレイヤーとして必要なもの…… この前は、運がいちばん大事って言いましたけれど。運以外にも大事なことは、むろんあります。
生きるか死ぬかの世界ですからね。そんなところで長く生きている人には、それなりのものがありますよ。ただの技術もさることながら、その一歩先……神通力のようなものを備えている人もいます。
私の場合、自信のある能力はふたつですね。
ひとつは、殺気を読むスキル。攻撃が行われる前に、その予兆を感じ取ることができます。
目で見てるわけでもなく耳で聞いてるわけでもなく、なんとなく気配を感じられるっていう具合ですね。だから、背後から音もなく強襲されても対応できますし、二キロメートル先からスナイパーに狙われたとしても、察知できます。弾をかわせるかどうかは別問題ですけど……。
死の気配を読むっていうのは、殺人ゲームにおいては、まあ、基本の能力ですよね。私みたいな三十回付近のプレイヤーなら……人によって巧拙はあるでしょうけど……ある程度は身につけているものだと思います。
殺気なんてもん、漫画の中の存在だとばかり思ってたんですけどね。まさか自分がそれをやるようになるとは。数年前の私に言っても、きっと信じないでしょうね。
ふたつ目のスキルは、近接戦闘です。
素手はもちろん、鈍器とか刃物とか……飛び道具もありかな……とにかくその、お互いの姿が見える距離での殺し合い。これについては、けっこう自信がありますよ。ジム通いの大男が相手でも負けないと思います。負けたことは、たぶん……一回か二回しかないんじゃないかな。どちらの場合も、運よく殺されずに済んだわけなんですけど。
殺気を読むスキルのほうは、元々持ってたっていうか、ゲームの中で勝手に研ぎ澄まされた感じなんですけど。こっちはしっかり訓練して身につけましたね。師匠にかなりしごかれました……。
私の場合、このふたつを軸に戦ってます。
面白いのが、プレイヤーによって所持するスキルがてんでばらばらってことなんですよね。私みたいに、勘とフィジカルを鍛えて戦うっていう人もいれば、知識と統計を頼りにしている人もいます。危険をなるべく避ける形で生き残りにつなげる人もいますし、他人をうまく操ってゲームクリアを目指す人もいます。
ゲームの種類によって、クリア条件も、要求されるスキルも異なりますからね。いろんな能力が脚光を浴びるっていうのが、このゲームの奥が深いところだと思います。
なんで今のプレイスタイルを選んだのかって?
……なんでかな。性に合ってたからってのもありますけど……あー、そうだ、師匠の影響が大きいですね。あの人も、同じようなスタイルだったので。
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