懐妊騒動PERT2


 マリア王妃様がクレアさんを拉致しましたが、ドアを設置しておりますので、あまり生活は変わらないようです。

 たださすがに夜はサラッとね……お尻なんてね……


 でもね、クレアさんが身ごもったという事で、残りの方々が激しいのですね……

 特にエバさんがね……

 

「正妻のクレア様が身ごもられた以上、遠慮は無用、今日は私、『良い日』なのです♪」

 どうも、エバさんが音頭を取って、18歳以上の『良い日』の方が優先してベッドに……


 エバさん、やんごとなき身分なのですけど、それはそれは色っぽく誘ったり……

 

 朝までね……


「きっと私、授かりました♪」


 後日、妊娠していることが判明しました。


「なに!エバが身ごもった!で、男か女か!」


 ……


「そうか、孫娘か!」

 皇帝陛下、顔が『じじ』になっておられますよ。


 勿論、クレアさんの時と同じ、というより輪をかけて大騒動です。

 当然のようにエバさんを拉致していかれて……


 クリスティーネ皇妃がすごいのです……


 『親睦会』でも、マリア王妃とお二人でね……まだ生まれぬ孫娘の話ばかり。

 アイリス王妃様とヒルダ帝妃様が迷惑顔……でもないのですよ。


 アイリス様には弟がおられ、そこに可愛らしい娘さんが生まれたばかり……

 姪が生まれたわけです。


 ヒルダ帝妃様はこちらは年の離れた妹さんがおられ、只今妊娠中とか……

 それなりの話で、それなりに盛り上がっているようなのですね……

 

 でもね、この話、続きがあります……


 エバさんが音頭を取った、『18歳以上の『良い日』の方が優先してベッドに』とかいう御蔭で……一月後にマーガレットさんがお目出度に……


 さらには二月後にはエルザさんも……


 そして『親睦会』のメンバーに、ドロア侯爵夫人のオリビア様と、デッセル伯爵夫人エローラ様が加わられて、色々とおっしゃるのですね……

 

 クレアさんが懐妊して三月になりました。

 クレアさんとそしてエバさんのお腹が、ほんの少し膨らんでいるような……


 妊婦さんが仲良く『楽園温泉』で、お話し中ですね……


「ねえ、私たち身重だけど、ヒロ様のお相手、どういたしましょう?」

 クレアさんが、こんなことを言いました。


「お母様が、愛人を増やしなさいとおっしゃいますが……」

 エバさんが困惑気味に言葉を繋いでいます。


「ミウラの家は普通のメイドは増やせないから、仕方ないかと……」

 マーガレットさんです。


 クレアさんが、

「この間ね、夢で『神様』のお言葉があったの……」

「えっ、『神託』が!なんとおっしゃったの♪」


 神様、ついに正妻さんにまで、お言葉をかけられるようなのです……


「ヒロ様の妻と愛人には、娘が一人生まれるらしいの、そして娘には祝福と加護が授かるそうよ」

「仲良く協力して子育てをすべし、というのが『神託』なのよ♪」

「なにが云いたいかというと、これからもヒロ様の家、ミウラ家は皆懐妊することになり、人手がこのままでは足りなくなる、しかもこの家は、ライアさんのような愛人メイドでなければ成り立たない」


 エルザさんが、

「あまりに秘密が多すぎますからね……フランソワさんは23歳、ライアさんも19歳、シュネさんも18歳ですよね……」

「フランソワさんは間違いなしね」


 クレアさんが、

「でしょう、クリスティーネ皇妃様がおっしゃる通り、何とか私たちと仲良くできそうな方を、ヒロ様に愛人として頂かなくては……」

「幸い、財政的には塩のおかげで、この家の年収は310万ランド……でもチャールズ・マガタ会頭がおっしゃるには、コショウの販路が公国や王国連邦にも広がったそうで、倍ぐらいの量は売れるそうなの」

「王国や帝国では4ランドで卸していたけど、8ランドでヒロ様が卸して、15ランドで売るそうなのね」


「つまり、今まで帝国と王国で4万ランドの収入でしたが倍の量なので8万ランド、卸値もその倍なので16万ランド、今年の目論見、 310.3733万ランドに足されるのよ」

 そう326.3733万ランド♪


「ガスマッチも同じように販路が広がり、こちらは一日1,500ランドも増えたのよ」

 年間547,500ランド……税金を引かれて492,750ランド……


 これを足せば375.6505万ランド♪

 375万ランドといえば、辺境伯クラスの中の下のほうになるのです。


 マーガレットさんが、

「375万ランド♪生まれてくる娘に恥ずかしくない生活をさせられるわ♪」


 クレアさんが、

「そうね、贅沢は慎むべきですが、出すべきお金は出せるわね♪」

「後で皆を集めて、ヒロ様の愛人を増やす方向で話し合いましょう」


 正妻クレアさんがそういったのです。

   

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