裸のお付き合い?


 クレアさん、実はバスタオルがはらり……

 『ヒロ殿、見たわね!責任取ってね♪』作戦をするつもりだったのですが……


 ハラリはヒロさんの腰タオル……


 キャーといって、手で顔を覆ってしまうという、失策を犯したのはクレアさん。

 ばつの悪い顔で下を向いたのがヒロさん。


「申し訳……ありません……」

「いや、いいのだ……とても大きくて立派……でした……」


 モジモジとして、クレアさん……そして……


「あの……ヒロ殿……その……私を……貰ってくれないかと……ええい!なんとでもなれ!」


 バスタオルをとって……


「ヒロ様!クレアを側において!妻でも愛人でもいいから!もう、実家に帰らなくていい!なんなら、あの家に監禁してくれてもいい!側において……ください……お願いだから……」


「クレアさん……」

「クレアと呼び捨ててください……」


「クレア……いつまでも私の側にいてくれないか……幸せにすると誓うから……」

「ヒロ様……」


「かならず、ご両親にご挨拶をし、許してもらう!私はクレアさんを好ましく思っていました!」

「もし両親が許してくれなかったら?」

「この地でのんびり過ごしましょう」

「ヒロ様♪」


「今言ったことは必ず守りますから、そのエッチなことは、ご実家に伺ってご挨拶してからという事で……」

「そうですね、けじめとして、一線を越えるのはまずいですね♪」


「でも裸のお付き合いはいいですよね♪」

「私、胸は自慢なのですよ♪ヒロ様はアレがご自慢なのでしょう♪」


 二人は温泉にどっぷりとつかっていました。


「お酒飲みますか?」

「お風呂でですか?」

「私の故郷では、温泉でお酒を飲む風習があるそうです♪」


「なら、夫の風習に合わせるのが妻というもの♪」

 ヒロさん、100均から洗面器を取り寄せ、その上に『ミニカップ酒』を取り出し載せて、

「クレア、乾杯しませんか?」

「はい、ヒロ様♪」


 あれ、今日二回目のメールが来ました。


「妻を手にしたようだな、祝福するぞ、その妻、娶るには資金が要るぞ、夜が明けたら冷たいほうの川をさらうがよい、またその川の湧口も調べよ」


「クレア、神様が祝ってくださった♪夜が明けたら冷たいほうの川をさらえとおっしゃっています」

「では明日は一日、神様のお言葉の通りに致しましょう……あ・な・た♪」

「えっ!」

「一度言ってみたかったので……あ・な・た♪」


「なんか照れますね……」

「でも、私が言ったのですが、私でいいのですか?出戻りだし……年も20歳だし……」


「クレア、私と同じ年なのですか?」

「えっ、ヒロ様も20歳なのですか♪よかった♪年上と思っていたので♪」


「ところでヒロ様、私は悋気などいたしませんからね、隠さないでくださいね、ちゃんと仲良くして見せますよ♪」

「……なんといえばいいのか……」


「ヒロ様は異世界の方ですから、ご存じないかもしれませんが、妻を二三人は持たなくては、殿方の甲斐性が疑われますよ、ただ隠してこそこそするのは褒められませんよ♪」

「そうなの?」

「そうなのですよ、ただ妻を持つには、それなりに資金がいります、私の場合は多分いらないと思いますが……なんと言っても、一度嫁いだ女、値打ちは地に落ちていますので……」


 どうやら、この世界の婚姻は売買婚……夫の方が花嫁の代金を支払うわけです。

 結婚しても、妻の資産は当然ですが、夫の自由にはなりません。


 神様はクレアさんを娶ろうとすれば、かなりの金額が必要とおっしゃっていますが……  


 温泉から出て、収納にあった、母親が持っていた指輪を贈った、ヒロさんでした。


「お母様の形見をいただけるのですか♪大事にしますね♪」


 この後、ささやかに祝いの食事をとっていました。

 この日だけは金額制限ギリギリの一人当たり1,000円のもの……


 沖縄のお弁当屋さんの、お祝い折詰が何とか税抜926円でありました。

 お赤飯が入っています♪


 使い切らなかった148円分、1ランド銀貨二枚と、1セント銅貨十一枚が日が変わると供に、今日のお給料、10ランド銀貨一枚と一緒に『収納の財布』に入っていました。

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