初めての入浴


「そうそう、洗濯でしたね、こちらへ」

 全自動洗濯機と、乾燥機の使い方をレクチャーして、


「なにか入れる物が必要ですね……」

 100均のポリプロピレン製バッグなんて取り寄せて、

「取りあえず、これを使って下さいね」


 ヒロさん、極力、取り寄せ金額を貯めたいようなのですね。

 なにせ、現地通貨は必要と思われますのでね。


「それにしても良い湯だった、教えて頂いた入浴剤、あれは良い物だな♪芯から温まった」

「リンスやシャンプーという物は見たことも無かったが、とても良い物だった、石鹸もバスタオルもとても上質の物だった」

「いちばん驚いたのはヘヤードライヤーというもの、温風で髪を乾かす魔道具なんて、なんとも贅沢なものだな♪」


「じゃあ、私もお風呂に入ってきます、その間、なにかお菓子でも出しておきますので、食べておいて下さい、お茶でよいですか?」

「ミルクティーは大好きだが、湯上がりなので暖かい物は……」

「それではこちらの物を飲んでいて下さいね♪」


 ロー●ン100さんのミルクティーをコールドで取り寄せ、コップとともに差し出し、お菓子としては、ココナッツクッキーをお皿にいれたヒロさんです。

 1リットルを女性に対して、ドンと出すところが、駄目駄目ですね。


「私のことは気にしないで、ゆっくりと入ってきてくれ、その間に、頂いている♪」


 ヒロさん、替えの下着とパジャマ代わりのジャージを手に、お風呂にゴー!


「あぁぁぁ、暖まるぅぅぅぅ」


「それにしてもクレアさん、美人だな……でも、これからどうしよう……しばらく同じ屋根の下で生活するの?私は良いけど、クレアさんは……」

「どうも、かなり上流階級の人の様だけど、やはり私には縁のない方、好きになっては迷惑なのだろうな……神様の『宣託』だから、無事にご実家に送り届けたら、そこで終わり……そうなんだぞ」


 神様といえば……

 そこでふっと神様のお言葉を思い浮かべたのです。


 ……いささか『モノ』を大きくしてやる……


 首を傾けて見ると……そこには立派な『モノ』が……


「えっ、これは……まあ、いいか、ここは異世界、もし、其の手のお店があれば、行ってもいいかな♪」


 お風呂に入り、手早く身体を洗い、ジャージなんてのに着替えて、居室に戻ると、クレアさんがウトウトしていたのです。

 見れば、クッキーがほとんどなくなっています。


 居室は暖かくて、お風呂でさっぱりし、お腹もそこそこ膨れて、なおかつ甘いものをたくさん食べて、リラックスしたのですかね。


「疲れていたのですかね……今のうちに、デスクベッドで寝れるようにしておきますか、たしか、それ用のマットレスや寝具がクロゼットに置いてあったはず……」

「カーテンもあるし、何とかプライバシーも確保できる、やはり女性ですからね、何とかしてあげなくっちゃ……」


「しかし机がなくては食事もしにくいな……そうだ、こたつがあった!」

 家にいたころは、冬になると、一人用のコタツを出していたヒロさん、なんとなくこのマンションに持ってきていたのです。


 あれ、よく考えれば、私の荷物も収納にいれていただいていたのでした……転生したばかりで調べてみませんでしたね……あとで、調べてみましょう……


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