レディースの下着なんて


 レディースの下着なんて、どうすればいいのよ!

 自分の下着さえも、適当に買うのに!


 ●ンゼさんの、ベストセラーのものを、通販で買っていたヒロさんですからね。

 

 今は使えるお金が制限されている以上、工夫が必要なのです。

 その上、女性と親しくしたことのないヒロさん、レディースの下着なんてね……


「とにかく、私の取り寄せる物には、金額制限があり……そんなに良い物は取り寄せられないので……その、女の方の物は……」

「何でもいいのよ、ヒロ殿が選んでくれたらね♪」


 ショーツは100均のレディースショーツ……綿100パーセント無地のMサイズを……

 つぎにブラですが、スポーツブラが税抜200円、これが一番安いわけですね。

 一日合計2,000円までの枠を使いましょう。

 クレアさん、スレンダーですが、ちょっと胸が大きくて……XLサイズ?


「あの……とても失礼……いえ、とにかく取り寄せてみます」

 真っ赤になって言いよどむヒロさんでした。


「それと、シャツは私の買い置きのもので構いませんか?新品ですが、すこし大きいかもしれませんけど……」

「ヒロ殿の下着か、構わない、先ほども言ったが、なんせ私は出戻りで、しかも若くない女、誰も引き取ってはくれないからな」


「大丈夫です!クレアさん、とてもお綺麗なのですよ!」

 なにか変に慌てているヒロさんです。


「嬉しいことを、なら、このまま居座ろうかな?」


「えっ!……」

「冗談だ、冗談!」


「あの……別に私は、その……クレアさんさえ良ければ、いつまででもいてくれても……」

 恥ずかしそうに下を向いて、ごにょごにょと言っているヒロさんでした。


「じゃあ、無事、実家にたどり着いたら、父上にいってみようかな♪うふふ♪」

 ヒロさん、ついに無言になりましたね。


 ふと、思いついたように、

「これが取り寄せた下着です……」

「ほう、これがヒロ殿の世界の女の下着か……ふむ、これはどのように使うのか?」

 レディースショーツを手に取り、首をかしげているクレアさん、どうやら腰巻あたりが、この世界の女性の下着のようです。

 

「その……それは下半身に履くもので……なんというか、股間を隠すものです」


「こちらはなんだ?」


「それは……胸を……保護するもので……その……なんというか……一応それは運動するとき、胸の揺れを抑える……」

「ほう、それは便利なものだな……」


「もう一つ、夜にリラックスするときの物がありますが……お望みなら……」

「いや、こちらを身に着けてみる」


「よろしくお願いします」

 なぜか、ヒロさん、お願いなどしていますね。


「それと、お風呂の使い方と、トイレの使い方を説明しますので、ついてきてくれますか?」

「トイレの使い方?用をたしたら、『草』で拭くのだろう?」


「草?紙で拭くのですよ」

「そうなのか、しかし贅沢な話に思えるが?」


「とにかくついてきてくださいね」


 トイレの使い方を懇切丁寧に説明しているヒロさん。


「このボタンはお湯が出て、お尻を洗ってくれます、女性はこちらのボタンだと思います、私は使ったことがないので……多分、洗う場所が広いかと……」

「あと、こちらのボタンは温風がでて、乾かしてくれますが、多少時間がかかるかと……私はここにあるトイレットペーパーを使います」

「トイレットペーパーは使った後はそのまま便器に捨ててください、最後はこのボタンを押して、流してください」

「流すのは、このトイレットペーパーだけですからね」


「そういえばサニタリーボックスがありませんが……その女性の日の処理は、お願いしますね……」

「ここに流すなという事だな、分かった」


 その後、お風呂の使い方を、レクチャーしたヒロさんでした。

 

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