第21話 浄化の儀式

「月詠さん!聖花の棘、採取してきましたよ!さよさん…は、ただの食あたりでしたね。」

「そっちの女は?」

「失礼ですよ、月詠さんっ」

「あぁ、そういえば名乗ってなかったわね。私はソフィアよ。聖花の棘と一言に言われても困るでしょうし、私も同行していたの。」


「じゃあ、全員、この魔方陣の中に…儀式を始めるわ。」

「ふぇ?かかったのは月詠さんだけじゃ?」

「これからあなた達は魔族討伐に行くのでしょう?こうしておけば、呪いへの耐性もつくわ」

「すまないな」

「ちょっと痛いかもしれないけど…我慢してね。」


魔方陣の中心に置かれた、聖花の棘が、あっという間に成長していき…茨となり。

「いでっ」

「いたい…しくしく」

「毒はないから安心して。むしろこうする事で、体内の血に退魔の力を植え付けてくれるの。…そろそろ大丈夫そうね。」



「ぃよっしゃあ!完全復活だぜ!!」

「ソフィアさん、ありがとうございました!!」

「世話になったな。…しっかし、気力が沸いたら腹が減ったな!」

「あはは。何か作りますね。ソフィアさんも良かったら!」

「そう?じゃあお邪魔するわね。」



その日は快気祝いという事で、また盛大に宴が行われた。

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