第20話 仲間への決意

「うぅん…」

「よぉ。やっとお目覚めか」


目覚めたさよの目の前には何故か月詠のドアップ。


「きゃああ!!」

思わず月詠の顔面にビンタしてしまうさよ。

「いてぇ!!俺なんかした!?」

「何かしようとしてたでしょう!!えっち!!」

「ひでぇ言われようだ……。」


「あ、花ちゃんからのラブレター(置き手紙)だ」

「どうしてそういう発想ができるのかね…。」


「リュウジさんと一緒に聖花の棘を採取しに行ってきます。ご心配なさらず!!追伸…リュウジさんは調理スキルないので、無暗に目の前の物を食べてはいけませんよっ。」


「やっぱあいつ調理スキルないんじゃん。」

「それ食べて転がってたんですね…」

「お前もな?」


花の作ったサンドイッチを食べてとりあえず回復する二人。


「なぁ。」

「はい?」

「暇だな。」


「…えっちな事はしませんよ!?」

「なんでお前の頭の中はピンク色なんだッ。ガキ相手にんな事しねえよ!」

「ガキって言った!!むうう…なんとかして分からせたい!!」

「無駄だ、無駄。ハッハッハ。」



「…ねぇ、月詠さん」

「お、おう、なんだ?」

急にさよの声のトーンが変わったので真面目モードに。


「月詠さんはとっても強いです。でも、やられちゃった時の事、考えたり、戦うのが怖いと思ったりしたことは…」

「ねぇな。」

「即答…ですか。」


「逆に聞くが、お前は戦ったり死ぬのが怖いのか?」

「怖いに決まってるじゃないですか!」

「なんで」

「普通はそうだと…思います…」

「そんなもんかね」



「決めました」

「ん?」

「これからも足を引っ張ることはあるかもしれません…けど、これだけは絶対です!」


「月詠さんを危険に晒す事は、絶対にしません!!」


「へっ、まだまだ見習いのくせに言うねぇ。てか、それ、告白?」

「え?あぅ、その…」

「冗談だよ。サンキュな。改めて、よろしく頼むな。」

さよの頭をポンポンと叩いて

「…やっぱ、さよを神官にして正解だったわ。」

と、たまに見せる月詠の笑顔にいつも言葉にならない何かを感じるさよ。



「…ぶっきらぼうなお父さんスマイル!」

「よし、そこになおれ」

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