第19話 魔を討つという事
「朝…ううん…ッ!?」
床で力尽きたはずの花は、案の定さよに引っ張り上げられて一緒のベッドで寝ていた。という事は、目の前にさよの顔。
「はわ~っ!」
「あ、花ちゃんおはよ…んっ」
自然とキスを交わすさよと花。
「さよ殿、少し話が(この間0.1秒)失礼した。」
「ちょっとリュウジさん!?秒速で出て行かないでくださいよ~!」
身だしなみ改め、リュウジの所に、もとい、月詠の部屋へ。
「うぅ…なんなんだこの状態は…クソッ」
「朝から月詠がこんな感じでな。さよ殿の魔法でなら…と思ったのだが。」
「これは…呪い…でしょうか。祐さんの止めを刺したという…」
「どうすればいいのだろうか…」
「放っておけば治るのではないでしょうか!月詠さんですし!」
「お前、治ったら覚えてろよ……!」
「じ、冗談ですよぉ!と、とにかく、これを治せる魔法は、私には…」
考えが詰まってしまった一行。どうすべきか…と、そこで花が。
「さよさん!あそこなら!」
「あぁ!図書館!」
「…なにかあるのか?」
「すっごい物知りな方がいるのですよ~。という訳で、行ってきますね!」
さよと花は部屋を飛び出していく。そしてリュウジも…
「えー。お前まで出ちゃうのかよ」
「お主、朝から何も食べてないであろう。少し待っていてくれ」
「え?お前調理スキルあったっけ?」
「……。」
パタン。
「ちょっ!?待て!花!花でいいから!花ー!戻ってこーい!!!!」
「ふぇ?」
「どしたの花ちゃん。」
「今、誰かの悲鳴が聞こえたような…」
「気のせいだよ!さ、れっつごー」
図書館に着いた二人は例の女性を探した。
「あら、そこの二人は…」
「あ!先日はお世話になりました。それで今回もご相談があるのですが…」
「…高位魔族を何の耐性もなく討った者は…道連れの呪いがかかるわ。」
「道連れ………!?って事は、月詠さんは…死んじゃう…の…?」
ぺたん、と床にへたり込んでしまう花。
「あぁ、安心しなさい。すぐに死んだりしないわ。ただ、ある材料を用いて、儀式をしないと。今からその材料を念話で伝えるわね。」
「念話?」
(その材料は貴重で高価だから、聴かれたら乱獲されちゃう恐れがあるのよ。)
(わっ!すごい!)
(私たちは、仲間のために使います…教えてください、その素材の名前を!)
(ふふっ、信じるわ。その素材の名は…『聖花の棘』よ。)
(…ありがとうございます!いこう、花ちゃん!)
「はぁっ、はぁ…」
ホームに、月詠の部屋に飛び込む二人。そこで見た光景は…!
ちょっと落ち込んだ様子のリュウジと青ざめた顔でベッドから転がり落ちてる月詠の姿。
「そ、そんな…!まさか、手遅れ…」
「あ、これ、リュウジさんが作ったんですか?いいにおいですね~一口ぱくっ」
「え?リュウジさんの料理?ちょちょちょっ、ちょっとまってさよさーん!!」
犠牲者は二人に増えたとか何とか。
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