第14話 知らない街

「んん…んんん?」


目を覚ましたさよが目にした光景は…なんとも重工場で煙くさい街。こんなところ…見た事ない。

「にゅぅ…」

隣で同じく倒れてた花も、異変に気付いたようで、

「こ、ここここはどこれすか!?」

「おーけー落ち着いて花ちゃん。見た限り…」


キラリン!と目を光らせるさよ。

「ここは私たちの街じゃないねっ!」

「…要りますか?今の演出。」


あれやこれやと二人で考えていると、遠くから

「お~い、どしたおめぇら~」

「あっ、えっと…ま、迷子です~…」


誤魔化してみた。

どうやらここの原住民らしく、親切に色々教えてくれた。心が痛い。


「おめぇら、どこからきたんだ」

「えっと…地図って、ありますか?」

(私は見てもわからないけど)

「おう、確かこの辺に…ああ、これだこれだ」


「ここがこの街だ」

「あ、ここ私たちの街………!?!?」

顔面蒼白になる花。

「ど、どうしたの?花ちゃん…」

嫌な予感はするが、一応聞いてみた。

「だだだだって!ここと、ここですよ!!??ここが、私たちの街なんです!!」

あ、地図は現実と一緒…?…場所的に青森(今の場所)と東京(ギルドホーム)、って所かな…うん、無理♪

「どうしよう!!こんなの帰れないよ!!」

改めて慌て始める二人。


「そんなに遠いのか。…確かに歩いていくのは無謀だなぁ。」

「何かいい方法は…」

「この辺までなら、列車が走ってるんだけどな…この距離ともなると、乗車賃もそれなりに取られるだろうな…お嬢ちゃんたち、アテはあるのかい?」

「うーん…一応、私、生産職なので、少しずつお金を稼いで…ですかね…」

「おう、そうか!!ここは生産の街なんだ。スキルも何かと重宝するだろう。」

「私は生産スキル無いので、ギルドで、討伐か採取クエストでも受けてきますね。」

「だ、大丈夫ですか?さよさん、お一人で…」

「だーいじょうぶですよ!まっかせなさーい!」



しらない街に飛ばされた二人は、お金稼ぎから始まるのであった。

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