さよと花の冒険

第10話 私達の冒険

月詠が城門前でメンバーを集めて言う。


「いいか。これからの旅は遊びじゃない。戦いだ。今までにない過酷さだろう。」


そこで珍しく言い淀む月詠。


「その…な。さよと花には、ギルドホームに残っていて欲しいんだ。」

「え…えっ!?」

「そんな…」

「も、勿論、お前たちが足手まといだから言ってるんじゃねぇ!お前らも一生懸命特訓して足引っ張んねぇレベルにはなった!でもな…悪ぃ、やっぱ、ここから先は命がかかってる。…連れてけねぇよ。」


「ぐすっ…」

「!?」

泣き出す花に驚く月詠。

「月詠さんは…信頼できる人だと…そう、思ってたのに…こんなのって…無いです!!」

「花ちゃん!!」


街中に向かって走っていく花、そして、

「…私だって覚悟してここまで来ました。そして今回も。なのに…貴方は信用してくれないんですね…」

そう言い放ち、花を追って、街へ走り出すさよ。


「相変わらず、不器用だねぇ♪」

「るせぇ、良かったんだ、これで…良かったんだ…。…行くぞ」

「…御意。」


3人は城門から出ていったのであった。



その頃。

「花ちゃん!」

「さよさん…私達、どうしたらいいんでしょうか…?」

「こうなったら、私たちにできる事、しよ?」

「出来る事?」

「というより、したいこと、なんだけど、ね!えへへ。…花ちゃんは私の事を異邦人って言ったよね?」

「あっ、そ、そうですね…」

「その…ね。私、元の世界に戻ってみたいんだ。…もちろん、花ちゃんと一緒に。」

「さよさん…!」

「協力、してくれる?」

「はい!私も、ただ待つのは嫌です!」

「あの3人なら、きっと、大丈夫だから…今は、そう信じよ!」



こうして、さよの異世界脱出の手掛かりを探し始める二人だった。

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