スフィアゲート

第7話 負けないために

「ったく…」

「しゅん…」

「しゅん…」

月詠のお説教を受けるさよと花。

「凹んでる場合か。あの程度のお使いも出来ないんじゃ先が思いやられるぞ…。」

「まぁまぁ♪彼女達は戦闘経験もほぼないし…仕方ないよ☆」

「なら叩き込むまでだ！今日は一日、戦闘訓練の日とする！！」

「え、えぇっ」

「気合…入ってますね…月詠さん」

「戦闘バカだからね♪」

即座に祐の後頭部に木刀が飛ぶ。

「だ、大丈夫ですか…？」

「ハハハ、問題ないよ♪」

「鼻血、出てます…はい、ハンカチを…」

「おっと、これは失礼☆」

「さよには戦闘時には後衛に立ってもらう事になるだろう。なので、主にやる事は前衛の援護と、自衛だ！」

「は、はい！」

「んじゃ、向こうに設置してある的を、試しに魔法の矢で破壊してみろ。」

「えっ、遠…くないですか…」

「安心しろ、肝心なのは感覚だ、精神を集中させて、矢が的を射るのをイメージして…」

「んんんん…たぁっ！！」

さよから放たれた3本の光の矢は、なんとか的を１つ撃破した。

「最初にしては上出来だな」

「あ、ありがとうございます～…ふー。」

その後、何度か同じことを繰り返しつつ、休憩。魔法は物理攻撃と違って、魔力を使うので、どうしても連続戦闘ができないのだ。

「はいっ！さよさんっ！ちょっとしたお弁当と、魔力回復ポーションです！」

「わぁ！ありがとう花ちゃん！」

なでなでなでなで。

「ふにゃー♪」

「花も参加するんだぞ。」

「え゛っ」

「当然だろ、自分の身は自分で守れ」

「そ、そんな～！無理ですよぉ」

…花ちゃんから、ちらっ、ちらっと視線を感じる…！

「私が花ちゃんを守るからね～♪」

「わーい！えへへ」

「ポンコツコンビめが…ん？」

ガサガサ…。ドドドド…！

「あれは…！？」

「魔物の群れ…！？」

「一体…何が起きてるというの…」

「知るか！とりあえずこのままじゃ街がまずい！訓練は中止だ！ギルドに向かうぞ！」

「は、はい！！」

突然の襲撃に、焦りを隠せないギルドメンバー達だった。