第65話「あの日とは違う」
颯爽と現れたブルードラゴンの軍勢。
その数、30体。
俺の周辺探知スキルに引っ掛からなかったのが謎だったが、そんな流ちょうなことを考えている暇はなかった。
ただ、余りの光景にさすがの俺も生唾を飲み込んだ。
あまりにも過ぎるというか正直見たことも聞いたこともなかった。
30なんて、あの大量発生の時にだって見ることがなかった数だ。
後ろの3人の驚く声がその異様さを物語っている。
それも相手はあのブルードラゴンた。
俺が一瞬にして薙ぎ倒した相手。
ただ、あの手ごわさは当時の俺も感じていた。
一見簡単に倒したみたいにいっているがあれは半分覚醒した状態での話だ。
もちろん今のように手加減できてるわけでもないし、とにかく技よりも力で押しに押した戦いだった。
それによく覚えている。
攻撃は入っていたがあれでもギリギリだった気がする。まるで戦車の装甲のように固い皮膚にまるでびくともしない体の重量。
本気で挑まなくては倒すことも出来なかった相手だ。きっと、今みたいに多少舐めてかかればそう簡単にはいかない。
それも俺が言いたいのは1体、2体の話。
それが目の前に見えているだけで30だ。
B以上はレベルが違うと言われている所以を体現している魔物。
それがそこにはいた。
A,S級冒険者がパーティを組んで倒すようなやつが30体もいるともなると話が変わってくる。
焦って動き出した体はその壮絶さを感じ取っていたのか、やや弱まっていた。
パワーが足りない。
押し戻される。
後ろの三人は戦意喪失していないか、その心配が頭をよぎってまるで集中できなかった。
「っく!?」
グググと噛みつかれながら、脚を地面に突き立てるようにしても押されてしまう。
よく見てみると魔法を使っているのか奴の尻尾からはなにか噴射しているように見えた。
ジェットエンジンのように勢いをつけていて、なんとか踏ん張る俺を押し変えようとしていく。
そしてそこにさらに後ろからやってきたブルードラゴンの圧力が加わり、とっくに耐えきれていなかった足がゆるんだ。
「っぐぁ⁉ や、っべぇ!」
押し込まれ、体勢が崩れる。
さっきまで解放していたはずのステータス値が明らかに下がっていた。俺の不安。生への執着心が過度な心配へと変わり、パワーが一気に落ちていた。
【神様の悪戯により、ステータスは2%開放しています】
2パー。
つまりステータスの値的に考えてだいたい2000程度。
正直それだけでもなかなか違うが話はそう簡単んではない。
この世界は総合値の値とそれを使いこなすやつのの力量、そして全てを凌駕するスキルで強さが決まってくる。
ブルードラゴン自体のステータス値は俺よりも高いわけではなかったがそれでも絶大だった。
そして、よく分からないことにそれでもパワーが桁違いだった。
まるでバフをかけられているみたいで点で力が適っていない。
驚くまもなく押し流されているとさっきまで言葉を失っていたはずの黒崎さんが颯爽と俺の前に現れた。
「っく、勝手に飛び出して! 何してるのよ!!」
「黒崎さん!! あ、危ないですよ!!」
「うるさい! こういう時こそ助け合いじゃない! この前行ったばっかりでしょ!!」
「驚いてたじゃないですか!」
「うっ。あれはただびっくりしただけっていうか別にそういうのじゃなくて……って何言わせてるのよ!」
急な喧嘩で思わず力がぬける。
「っぐぁ!?」
もちろんその姿に後ろから下田さんが加勢に入ってきた。
「こんなところで喧嘩しないでください2人とも!! とにかくヤバい状況です!! はやく打開策を見つけないとですよ!!」
「そ、それもそうね……」
途端に冷静になる黒崎さんはそれはそれでいつも通りかと納得しつつも、俺の足はすでに限界だった
「うっ。とにかく早くなんとかしないとやられますよ!!」
「う、うるさいわね……今考えてるのよ!」
険しい顔で考えるもそう簡単に打開策は生まれない。
どうしようか考えているとさらに後ろから斎藤さんの声が聞こえてきた。
「あの、作戦があるの!! 聞いて!!」
この状況を打開する作、気になって目が見開く。
ジリジリと後ろに押されながらも黒崎さんが一緒におさえ込んでくれようとしていて、俺はその話に向かって耳を傾けた瞬間だった。
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〇ブルードラゴン(B)
攻撃力:1520/1000
防御力:1200/1000
魔法力:929/1000
魔法抵抗力:890/1000
敏捷力:890/1000
精神力:798/1000
【スキルリスト】
『
『
『
『脚力増加・強』『神経伝達速度上昇・強』
『腕力増加・強』
『
『
『表皮装甲』『痛覚耐性』
あとがき
遅くなって申し訳ございません!
これからは3日に一回投稿ほどに頻度を落として書いていこうかなと思っています!
ご理解の程よろしくお願いします!!
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