第7話 ポテチはのりしお派


 ブサイクな人もフィールドだと自己満足で格好つけられるから勘違いしてナルシスってしまうのである。


 格好いいとは何なのか!それは雰囲気である。

 魅力的とは何なのか!それは雰囲気である。


「そう言えば…」

サツキがアタチをジッと見ている。

「な、なに?」

「先輩は男の子達に声掛けられないですね!」

「え!?」

「なんでだろぅ?」

「多分、装備だと思うよ~!SASとかデルタとかをイメージした装備だしレプリカもあるけど実物のやつを取り入れてるから中々近寄りがたいんじゃないかなぁ~」

アタチ達は格好いい警察っぽいキッチンカーの肉々しいハンバーガーを頬張りながら会話した。

 女性一人でガチガチな装備してサバゲーしているとチャラ出会い系に声を掛けられない説を実証中ー。


 サツキはジュースを買いに行くだけで声をかけられている。


「また声掛けられましたぁ!サバゲーの人って寂しい人達ばかりなんですかねぇ?」

「さぁ~、多分いかにも初心者な格好だから声掛けやすいんじゃないかなぁ」

「なるほどですねぇ!」

サツキはフェイスガードを被った。


 ゲーム中もサツキの周辺はSPのように男達が囲んでいた。


“なんだかなぁ…キモっ!”

アタチはそれとは逆に逆に攻めた。


 誰も居なさそうなCQBをゆっくりと進んでいると後ろに気配を感じ振り返ると

「あ!」

完全に背後を取られていた。アタチは手を上げて“ヒット”した。敵さんはハンドガンの銃口を向けていたがトリガーには指を掛けていなくてアタチの足元を狙っていた。“超ベテランかな!”去り際に敵さんが「シチュエーションありがとう」と小さく言ってくれた。


 アタチはフィールドアウトしてからさっきの敵さんを探してしまった。黒とレンジャーグリーンをバランス良く合わせた装備をしていた。


「格好いい装備してたなぁ」

アタチはポテトチップスを頬張るー。


つづく

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る