第5話 久し振りにフレンドリー!


 パレットの隙間から見えているウッドランドのお尻を撃った。


ヒット!!


 出て来たのは赤チーム……やってもぅたぁ~。


 久しぶりのサバゲーで初弾でのフレンドリーファイアしてしまった。

 アタチは撃ってしまった仲間に終始謝りながら共にフィールドアウトした。


 セーフティの席に座り肩がガクンと落ちてしまった。まさかのフレンドリーファイア!

「どうしたんですか?」

「やってもうた!仲間を撃ってしまったよぉ」

「あらら!元彼に見えたんじゃないですか??」

「あの尻はアイツのとは違っていたよ!」

「覚えてるんですか?尻を!」

「180度のどの角度から見ても間違えないよ!」

「はぁ~そうですか…惚れていたんですねぇ」

アタチは冷めたサツキに舌打ちした。


 次からサツキもゲームに参加出来るようになった。

「めっちゃ緊張してますぅ~」

サンセイマスク越しにサツキがおどおどしているのが見えて笑えた。

「ビービー弾って痛いんですよね?」

「痛いよぉ」

「ひぇ~」

おわあわしているとゲーム開始した。


 アタチはサツキを置いて外周周りで仲間達の後を追った。

「置いてかないでぇ~」

サツキも必死に追い掛けてきた。

「さっちゃん早く!バリケードに隠れて!」

サツキに指示するとよりによって腰の高さしか無いタイヤに寝転がって隠れた。


 前方で戦闘が始まった。


「さっちゃん!前に行くよ!味方の援護する!」

「ふぇ~~」

アタチは前のバリケードまで行って仲間とは違う角度を警戒した。

 サツキはひたすら匍匐前進でヒカルの後を追う。


 前方の仲間が次々とやられてヒカル達の所まで弾が飛んできている。

「さっちゃん!アタチは隣のバリケードに移動するから前方を撃って!」

「ひぉ~~」

サツキは寝転がったまま隙間から前方の動くもの全てを狙って撃ちまくった。

「きぇ~~~」

サツキの変な声を聞きながら隣まで移動して敵の側面に着いた。

「もらった!」

マルチカム装備の敵を一人やっつけたが更に違う角度から撃たれた。


ヒット!!ヒット!!ナイスです!!


 アタチはグーサインしながらフィールドアウトした。


「ふぉわ~~」

先輩がやられたのを見て汗が噴き出して前が全く見えなくなった。

「まえみえん!まえみえん!」

そうこうしていると真後ろからお尻を撃たれた。


いったぁーーーー!


 ゴロゴロ転がってやっとの思いで起き上がり振り返ると敵が三人立っていた。

「ごめんね~!」

敵が謝っている。

「ナイスリアクション!」

笑っている敵を見て恥ずかしくなって頭を何度も下げながら入口に走った。


「先輩!ビービー弾ってめっちゃ痛いっす!!」

汗だくで髪が乱れているサツキが言った。

「凄い髪型!?」

「ゴムありますか?悔しい!次は頑張る!!」

サツキの目にメラメラと燃える炎が見えた。

「めっちゃやる気じゃん!」

「サバゲー面白いっす!」

「でしょ!」

サツキはガッツポーズをとっている。


つづく

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