第2話 雪道だ それ用の装備はしてくるよ

スキー場に向けて 矢田とお局様達 矢田の友達とスタートしていきます

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あれ、別のグループと間違えたか どうしようと悩んでると

矢田が来て 「大円 お前 それで行くのか」と訊いてくる


「四駆がな、ラリータイヤしか無くて あれもこれも2名乗車だし変わらんし

 乗り心地だけなら、足もスノー用に調整したビルが入ってるこっちが上だ」


「そうじゃない 屋根だよ」


「あ、〆ると狭いから 青空天井にしないと板積めないし

 五竜も八方もこのスタイルで今シーズンで5回行ってるし、大丈夫だ」


その場の全員が 「はい??」と訊き返してくる


「教えてくれると言ってくれた お局様に教えて貰えるレベルにならないと

 そう思って頑張って通った」


眉間に縦シワの涼子さん


恵美さんが「それって 泊まりで2日間づつなの?」


「違うけど 教えて貰うのだってあまりにだと恥ずかしいから頑張った」


今日で6日目かぁ と思う矢田達

話しを変えたい 矢田が紹介だけしとくとお姉さんたちを紹介し始める


 涼子さん(27)

 美沙さん(27)

 恵美さん(25)

 恵子ちゃん20

 栄子ちゃん19


なぜか 20以下だけ年齢付きで紹介してくれた


「俺 矢田の友達の 大円鏡智だいえんきょうち 26 矢田とは中高の同期だ」


サベルトを外しフルバケから降りて 「矢田 板を頼む」と渡す

お姉さん達が板とビンディングを見る エキップ しかもかなり締め込んでいる


「こんなに〆ると、転んだ時外れなくて危ないわよ」と教えてくれる


「そうなんだ 俺 下手だから 飛んで着地で負荷がかかるから

 長野親父にこれくらい〆とけって言われてて」


「はい??」


「ほら コブって、飛んで技をやるじゃん やっといくつか出来るようになった」


「大円さぁ 昨シーズンからって言ってたけど 何回滑った」


「滑るのは毎度だぞ ネタが受けないんだ 矢田だって知ってるだろ

 イジメはダメだ

 とりあえず スキー場に向かおうぜ どのお姉さんが乗るの」


矢田と矢田の友達 話は噛み合っていないが 進んでいく


「矢田 あのお局様っぽい二人は お局様だよな」訊くと

「ああ、お局様だ」との解答


聞こえてカチンと来たお局様組


「ナビに乗ってくれないかな 憧れのお局様 しかも涼子さん」

ノータイムでバカでかい声で言い切る大円


「今の一言で きっとダメになったぞ」そっと大円に囁く矢田


もう眉間にクレパス並みの深い立て皺のお局様組


女性陣の力関係で一番若い19の栄子ちゃんが

矢田の友達のオープンに乗ると決まった


ササッとスェットの上に、スキーウェアを着る 栄子ちゃん


「これ被って 暖かいよ」

アライグマのシッポ付きのロシア帽と

佐賀県産のミンクの膝掛けと銀狐の襟巻きを渡す


ナビに座らせて、サベルトの調整をしてインカムを付けさせる


「行こうぜ 鷲ヶ岳は初めてだ」


出発していく二台


「あれ 意外と温かい 窓〆るともっと暖かく」とインカムから栄子ちゃん


「これで窓〆ると翼端渦で足元が乱されて 一気に寒くなる ほら」


とやってみせる

途中一回の休憩

ドライブインの缶コーヒーで温まる

栄子ちゃんと銀狐の襟巻きのママあつまる


「栄子ちゃん寒くない 窓を〆てもらいなよ」と四人


「それが 〆ると足元まで風が入って返って寒いのです 空けたほうが温かいです

 帽子や、この襟巻きとか膝掛けも 借りてますし

 この帽子 メイン州の大学近くのお店で買った本物のアライグマらしいです」


「本物 しかも現地で買った とか そこのポイントは高いわね」恵子ちゃん


「そうなんだ、白馬にあれで行ったてのも 吹かしじゃないんだ」と恵美さん


休憩中にロシア帽を耳と延髄をカバーする仕様にして被らせる


「あれ 全然寒くなくどころか 暑いかも」

と言ったあと黙る栄子ちゃん 寝ていた


美濃白鳥を過ぎた辺りから 路面に雪が積もってくる

矢田から「滑り始めたチェーンを巻くから退避場に入る」と430で入ってくる


「先に行って茶店で栄子ちゃんとコーヒーしばいて来るわ」


退避場を素通りして喫茶店探しに入る


無線の向こうから「はい??」と訊き返される


「今日は 「はい??」 が多いね ミシュランの最新スタッドレスタイヤだよ

 雪道だ それ用の装備はしてくるよ 襟巻きも膝掛けも用意したしね」


矢田がチェーンを巻く間 お姉さん達が降りて寒い中待ってる


「栄子ちゃんはどうしてるの」と無線で訊かれ


「銀狐の襟巻きしてよだれ垂らして寝てる

 じゃ、ハンディもあるから、聞いてるから呼んでね」


「矢田の友達 おかしくない」お局様の涼子さん


「おかしいのは知ってるが キチンと準備はするやつだし」矢田の苦しい言い訳


「確かに雪道装備で出たばかりのスタッドレスタイヤを準備している

 でも オープンよ オープン スキーに行くのにオープンカー

 襟巻きに膝掛けも用意したって そもそも普通の車には要らない

 準備の方向がおかしい」美沙さん


「でも、栄子ちゃんはよだれ垂らして寝てるって 意外と暖かいのかな」

正月と成人式で振り袖を着た若手の恵子ちゃん


矢田がチェーンを巻いて再スタートを切る頃


「矢田 茶店がない もうスキー場の分岐まで着た 先に登るぞ」と入れる


「先に登っててくれ」と言うしかない矢田


走り始めた車内で、恵美さんが

「そうえいばイスもベルトも変だった すっぽりハマって座るやつに両肩から

 あれも スキー仕様なの 暖かそうではあったけど」


「あれスパルコって書いてあったわね 矢田 知ってる?」美沙さん


「フルバケットタイプのイスだ スキー用と言うよりレース用

 物凄く体をホールドしてくれるから揺れない」と答える矢田


「へぇ 矢田も付けてよ」涼子さん


「ベルトもだと2名乗車になる

 あいつが持ってるもう一台も同じのが付いててリアシートを取っ払ってるし

 2名乗車 って聞いてて それで来ると思ってたんだけどな

 どうせ大円の事だ カーボンだろうから高い」


「高いって 10万くらいするの」


「其の4倍はするはず 足もビルって言ったから 足すと余裕で100超える」


「はぁ ローンが大変だ」恵美さん


「でもローンの与信が通ってるのが凄いわね」涼子さん


流石、販売店の販売員


でも、あいつローンが嫌いで、基本レンガ か クレジットの一回払いのみ

そもそも金は山ほど持ってる

でも、そんな情報で 混乱させる訳にはいかないので沈黙する矢田

この沈黙が涼子さん達の歯車を狂わせていく


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

鷲ヶ岳の帰り道で、ホントによだれ垂らして寝られました

途中休憩で、起こす前に他のメンバーに見せて呆れられた〇〇ちゃん

オープンだから乗ったまま 呼べるし 見せれる そうヨダレも見せれる

朝 乗る前の女性陣揃っての罵詈雑言は何だったの

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