スナック「封印」

 「なになに、『スナック封印』…、入った事ないなあ。この辺にぼったくり店があるって聞いたけど…まあ覗いてみるか」


 カランカラン…


 「よくぞ封印を破った!この封印は我の膨大な魔力が込められておるというのに。お主、強者だな?光の者か、闇の者か、その黒き魔のローブを見るところ、闇の者だな。よく来た!我が同胞よ!」

 「いや、これただのコートだから。何だよ、厨二病かよ」

 「さあ我が前に跪け」

 「いや、普通に座らせて。ところでママさんだよね。名前は?」

 「ドゥーメリア・ヘインバッハ・アメリア・ボッタクリーノだ」

 「長いよ!最後ボッタクリって言ったし!もう1回言ってよ」

 「ダンクリフ・ハインリッヒ・メアリー・ローゼンクロイツ・明美だ」

 「全然違うし!本当はただの明美でしょ!」

 「真名など教えたらどのような呪詛を受けるか分からぬというのに教えるか!」

 「じゃあもういいよ…」

 「で、お主の名はなんという?」

 「俺はこの界隈ではスーさんで通ってるよ」

 「なんと!もしやお主は伝説の暗黒騎士スーベルフォン・F・エターナル・ナイツか!」

 「誰だよそれ!鈴木だよ、す・ず・き!で、ママの年齢は?」

 「10万35歳だ」

 「デーモン閣下かよ!」

 「時に何を飲む?処女の生き血とか」

 「なんだよそれ!」

 「この世界ではワインという」

 「他には?」

 「穀物を腐らせ細菌を塗したものがあるが」

 「それは?」

 「ウイスキー」

 「ちゃんと言えよ!他は?」

 「昔アラブの偉いお坊さんが…」

 「コーヒーはいらない!もうハイボールでいいよ」

 「はい、ボール」

 「だから球じゃない!親父ギャグぶち込むな!」

 「あと眷属が召喚できるがどうする?対価が必要だが」

 「眷属って店の女の子か、どんな子?」

 「サキュバスだ」

 「え?あのエロい奴?いくらいるの?」

 「100万ギール必要だ」

 「どこの国の通貨だよ!日本円で?」

 「10万円」

 「高いよ!」

 「ではなにか呪文でも唱えるか?」

 「カラオケだよね、デンモクは?」

 「ここには死の教典しかない」

 「今時歌本かよ!もういい、帰る、お代は」

 「100万ギールだ」

 「やっぱりボッタクリじゃねーか!」


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