3-4
セドは受話器を耳から離し、電話を切った。
他ならぬ町長の頼みだ。やらないわけにはいかないだろう。
それに、その報酬が嬉しい。
どんなお得意様か知らないけれど、町長に大金を振り込む。
それを自分の店で売った花だと、うそぶくだけで、分け前をくれる。
本土への運び屋になるのは、ちょっと面倒だったけど。
いつもの場所で待っている、取引人に渡すついでに、本土の市場に出た花々を、自分の店で売る用に仕入れる仕事をするには、一石二鳥だもんな。
妹も喜ぶ。
セドは、隣のベッドで静かな寝息をたてて眠る、ナヤを見た。
ちょうど、リボンがきれていたが、妹のナヤが、雑貨店から買ってくれた。
明日の朝、町長から引き継いだ花をブーケにして、レースのリボンでくるめば、いいのだ。
小さくてかわいい、素敵な贈り物の完成だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます