第37話 策謀する悪の総帥


 リオ率いる騎士団と召使いとの激闘の日から三日後の朝。


バハが騎士団を率いてジャンクフィールドへと向かう日より数日前のこと。


このとき、宿屋の俺の部屋に俺、ビショップ、バンディッド、デストロイヤーの全員が集まっていた。


ここに集まっているのは、今後についての話し合いをするためだ。


色々と話しておきたいことがあるのだが、まずは目下のバハの件についての話をしている最中だ。


その話の中で、デストロイヤーには元のリオであったときの騎士の身分を利用して、バハの元へと帰還することを命令したところだ。


デストロイヤーが帰還することは、俺の目的を達成するうえで重要であった。


その目的とは、バハをこのジャンクフィ―ルドにおびき出すということ。



「バンディッドの話によれば、お前次第でバハがこちらに出向いて来る可能性があるのだ」



バンディッドには、昨日のうちに王都に潜り込ませてバハの周辺について調査してもらっていた。


その調査の結果、バハが自身の騎士団をジャンクフィールドへ向かわせる準備をしているという情報を得ることが出来た。


向かわせる騎士団の総数だが、まさかの騎士団全員。


約五百人の大規模の軍団をジャンクフィールドに向かわせて何をするのかといえば町の解体らしい。


住民には他の場所に移り住んでもらって、町は取り壊すということのようだ。


そのような話は、この町では聞いたことがなく、恐らくはその計画が実行する前日になっても知らされることはないだろう。


騎士団の全戦力を向かわせるのだ。


町の解体は本当にやろうとしているのだろうが、住民を他の町に移り住まわせることは建前に過ぎないのだろう。


奴らが本当にやろうとしているのは、この町の蹂躙だ。


町ごと住民達を殺害するつもりなのだ。


そうでなければ、まるで戦争を仕掛けに行くとでも言うような、騎士団の全戦力を向かわせるなどといった真似はしない。


醜く貧しい連中はまとめて焼き払えば良いとでも思っているんだろう。


いかにも下民嫌いの貴族の考え方だ。



「それでだ、デストロイヤー。お前には俺とビショップを殺害したとバハに伝えてほしい」


「うん? 任務が成功したと偽りの報告をしろということで? それにはどういった意味がありますの? 」


「奴にとって邪魔な存在である俺達がいなくなったことで、ジャックフィールドに来やすくなるだろう? 」


「う、うーん・・・」



俺の説明にデストロイヤーは納得していないようだ。


あれ? 俺的にはこれで、「邪魔な奴らがいなくなったぜ! 気分が良いので直接騎士団指揮してやるぜ! 」と調子に乗って、のこのこやってくると予想したのだが。



「こ、これだけではダメか? なにか良い方法はあるだろうか? 」



不安になったのでデストロイヤーに聞いてみる。



「バハの性格からして、現場には出たくはないはず。自分の脅威となる存在が消えたくらいでは、直接出向くようなことはしないでしょう」


「う、うむ」



流石はバハの部下だ。


奴の性格をある程度把握しているようで頼もしい。


今は俺の部下だがな。



「総帥様とビショップを殺害したと報告するのは良いとして、付け加えるのなら騎士隊がワタシを除いて死んだことを報告するのが良いかと思いますわ」


「お前一人だけが生還するのだ。その報告はしてもらう想定だったのだが、そっちの方が良いというのか? 」


「ええ。バハは外面を気にするしょーもない男でございますわ。派兵した騎士隊が壊滅したと聞けば、自分の評価が下がると危機感を持つことでしょう」



なるほどな。


自分の評価が下がったと危機感を持ったバハは、少しでも評価を上げるために直接騎士団の指揮を執ろうと考えるはず。


デストロイヤーがそう考えているということか。


納得した。


いや、この中で奴との付き合いがあるデストロイヤーがそう言うのだから、そうなのだろう。


しかしだ。


それだけでは、どうも足りないような気がする。


バハに報告したところで、騎士隊が壊滅したという情報は騎士団内部の者にしか伝わらないということだ。


やろうと思えば、その情報を外に出さないようにすることも奴には可能なはず。


すると、奴の派兵した騎士隊を壊滅させたという汚点は無かったことにされる。


これをどうにかして防がないといけないか。



「バンディッドにも王都に行ってほしい」


「え? アタシも? 」



バンディッドが自分に指を差しつつ怪訝な表情をする。



「ああ、バハがジャンクフィールドに向かわせた騎士隊が壊滅したことを王都中に言いふらしてほしい」


「はあ・・・ああ、そういうこと! オーケーオーケー! 」



俺の狙いに気づいたのか、バンディッドが満面の笑みを向けてくる。



「ふむ・・・騎士隊の壊滅。もといバハの失態を王都中に広めさせることは実に効果的ですわ。流石は我らが総帥様」



デストロイヤーが俺を誉めてくる。


ちょっと嬉しい。


彼女の言う通り、バハの失態を言い広めることで奴の印象を下げるという作成だ。


外面を気にする性格ということであれば、噂程度の広がりになろうとも我慢できずに自分の評価を上げるために動かざるを得ないだろう。



「バハをおびき出すことについては、これでいいだろう。出発は・・・明日にしよう。二人共頼んだぞ」


「りょ! 」


「承りましたわ! 」



俺の言葉に対して、二人は跪きつつも良い返事をしてくれる。


言うことを聞かないことはあるが、こういうときは従順なのでとても助かる。



「それでアタシとデストロイヤーは王都に行くとして、総帥とビショップは何をするの? 」



バンディッドが聞いてきた。


デストロイヤーも彼女の口にしたことが気になるのか俺のことをじっと見てくる。


正直、俺とビショップに関してはやることがない。


バハにとっては、俺達は死んだ扱いになっているし王都に行くわけにはいかないしな。


やることといえば、雑兵斡旋所に行って依頼をして少しでも資金調達するくらいか。


いや、下手に動いてバハに実は俺達生きてましたとバレるのはまずいか。



「二人には申し訳ないが俺達はバハがこの町に侵攻してくるまで宿屋でじっとすることにするよ」


「ああ・・・まあ、その方がいいよねぇ」


「フフッ、本当に二人には申し訳ないわ。でも、安心して。総帥は私がつきっきりで護衛しますから」



そう言って、ビショップがピトッと俺にくっついてくる。


ねぇーなんでそういうことするのー?



「あ? 」


「はあ? 」



バンディッドとデストロイヤーがクワッと険しい顔でビショップを睨みつける。


ほらね、こーなるでしょー?


やめてくれよ・・・



「調子乗っちゃったねぇ・・・ビショップ。役割を与えられなかった役立たずのくせに」


「総帥様のお傍に仕えるのは、本来はキングたるワタシの役目・・・そのことを重々承知の上での発言かしら? 」


「あらあらあらあら、負け惜しみを。よほど私が総帥と二人きりになるのが羨ましいと」



なおも煽るビショップ。


なぜそうまでして二人を煽るのか俺には分からない。


本当になんで?



「そこまでだ。確かに宿屋で待機するが俺とビショップは一緒の部屋で集まるようなことはない。それぞれの部屋で待機だ。ビショップ、自分の都合の良いように物事を解釈するのは・・・よ、よくないぞ」



軽くビショップを叱りつつ、くっついているビショップをグイッと押しのけてやる。



「え・・・も、申し訳ありません」



すると、ビショップはしょんぼりとした様子になった。


犬のウンチを踏んだときのようにテンションダダ下がりである。


反省してくれたみたいだけど、そんなに落ち込む?


言い方が少しきつかっただろうか。



「いや、俺ではなく二人にも謝るんだ」


「ぐうっ・・・二人共、調子に乗って申し訳ありませんでした」



ぐうっと何やら嫌そうだったがビショップはペコリと二人に対して謝ってくれた。



「ま、まあ、総帥と二人っきりになれるチャンスで浮かれるのは分かるし、今回は見逃してあげてもいいかな」


「キングは寛大というもの。水に流してあげてもよくってよ」



こっちはこっちで妙に物分かりが良いと来た。


ひょっとして、逆の立場だったらビショップのように他の二人を煽っていたということだろうか?


他人の気持ちになって考えるのは良いことだけど、なんだかなぁ・・・


それにしても、どうしてマウントを取りたがるかなぁ。


こいつらを見ていると、俺への忠誠心は高いと思うけど、同じ部下同士に関しては仲間意識がかなり低いような。


もっと互いに仲間であるという意識を強く持ってほしいものだ。


どうすりゃいいんだろう?



「あの・・・よろしいでしょうか? 」



そんなことを持っていると、ビショップが声をかけてきた。


一体なんだろう?



「バハをおびき出したとして、その後はどうするつもりで? 」



ああ、そのことか。


シンプルに考えていたから説明しなくてもいいかと勝手に思ってた。


ちゃんと言わないとダメだよな。


申し訳ない。



「しばらく騎士団の行動の様子見になるかな」


「様子見ですか。騎士団はこの町に侵攻してくるのですよね? 食い止めはしないのですか? 」


「しない。五年もいて、この町には少々の愛着があるが滅びようと、俺達以外の誰が殺されようとどうでもいい」



バハをこの町におびき出すのは、奴に今までの仕返しをしたいからだ。


この町を守りたいなどといったようなヒーローめいたことは一切頭にないのだ。


しかし、そう思っているのは俺だけなのかもしれない。



「逆に聞くがお前達はこの町に愛着とか守りたいものがあったりするだろうか? 」



だから、三人に聞いてみることにした。



「いえ、特に」


「ありませーん」


「ワタシはここに来てほんの数日もいないので、どうなろうと知ったことではありませんわ! 」



全員俺のように、この町がどうなってもいいとのこと。


みんな同じ意思を持っているようで安心した。



「デストロイヤー。[怪物化]した俺達の脅威となる者は騎士団に存在するか? 」


「存在しないかと」


「よし。ならば様子見をした後は全員[怪物化]をして蹂躙だ。この町の解体を手伝いつつ、騎士団を皆殺しにしてやろう」


「皆殺し! 焼死体! 焼野原! 」


「いいねぇ! いいねぇ! テンションアゲアゲ! フゥー! 」


「オーホッホッホ! 暴れ放題ということかしら? 腕が鳴りますわー! 」



蹂躙、皆殺しという単語を使ったせいか三人は色めき出す。


やる気を出してくれて何よりだが、他の人から見ればどう見ても物騒な連中に見えるよなぁ。



「あ、デストロイヤーは俺が合図を出すまでは[怪物化]も[怪人化]も禁止だ」


「はうゎえあ!? 」



かなり驚いたのかデストロイヤーの口から奇妙な声が出た。


あと面白い顔もしている。


元が可愛い顔立ちだから、変顔してもだいたい可愛さが残る。


あるいは、あえて可愛さを残そうとする者もいるだろう。


そういうものだが、今のデストロイヤーの顔は可愛さなど欠片もなくちゃんと面白い顔をしている。


本人がその気がないかもしれないが本気の変顔だ。


申し訳ないが笑いを堪えるのに必死だ。



「そ、そんなご無体な・・・ワタシも思う存分に暴れたいですわ・・・」



ワナワナと体を震わせながらデストロイヤーが言ってきた。


すがるような目で俺を見てくる。


どれだけ暴れたいんだお前は。



「お前にはあちら側として参戦してほしいのだ」


「つまり、総帥様達の敵・・・バハの味方でいろと? 」


「ああ。途中で抜け出したりするのも不自然だろう? だから、最後の最後までバハの味方であり続けて・・・クククッ! 」



実はこれこそが俺が一番に楽しみしていることでもある。


バハをおびき出すのも、もちろん仕返しをしたからだが、これをしたいのが一番かもしれない。


楽しみすぎてニヤけてしまうのを堪えたことで、言葉が途切れてしまった。


というか、笑い声が漏れてしまった。


いかん、いかん。


ビシッと言ってこその悪の総帥だ。


ちゃんとしなければな。



「ここぞというところで、俺達の仲間であることをバハに思い知らせたいのさ」



自分を慕っていた部下は、実は少し前から敵の配下になっていました。


このシチュエーションがもうすぐ見られるのだ。


リオがバハの部下だと知ってから、密かにこれが出来ないかずっと期待していたんだな。


まさしく悪の組織らしい振る舞いじゃあないか。


相手がヒーローとか正義の組織じゃなくて小物貴族であることが残念だが、きっと奴はこれまで生きてきた中で一番の絶望を味わうに違いない。


ひょっとしたら、俺が一番テンションが高いのかもしれない。


その時、バハがどんな顔を見せてくれるか楽しみでしょうがないよ。





 バハについての話は終わった。


次に話しておきたいことがあるのだが、それはジャンクヤードの町が解体された後の話だ。


今の俺達の拠点はここであり、そこが無くなるということで次の拠点を探さなければならない。


といっても、次の拠点をどこにするかはおおよそ決まっている。


しかし、すぐにそこへ向かうのはやめておいたほうがいいだろう。


騎士団は一人も逃がすことなく全滅させるつもりではるあるが、この町の住民は少なからず生き残るはずだ。


そいつらは[怪物化]した俺達の暴れっぷりを目撃しているに違いない。


そうなると、[怪物化]した俺達の噂が王国中に広まる可能性がある。


次の拠点では本格的に悪の組織として活動するつもりであるからな。


多少なり支障をきたすだろう。



「バハおよび騎士団を滅ぼした後についてだが、しばらくの間は潜伏しておきたいと思う」



だから噂のほとぼりが冷めるまでは、目立たないようにしておこうと思う。



「潜伏ですか。どこへ向かいますか? 」


「いや、どこへ向かうとかはない。全員別々の場所に行くとしよう」



固まっているのも怪しまれそうなので、離れ離れでひっそりしていたほうがいいだろう。


各々で好きなところへ行くといいさ。


だが、デストロイヤーに関しては話は別。



「デストロイヤーには悪いが、ナイトブレイドだったか? 家に戻って元のリオのように騎士として活動していてくれ」



デストロイヤーはナイトブレイドの家の者だ。


ビショップのような滅亡した貴族の生まれではない。


潜伏するとして家出したとなると逆に目立ってしまうだろう。


故に、ナイトブレイド家に戻って元の騎士として過ごしてもらったほうがいいと考えたわけだ。



「承りましたわ。しかし、総帥様の部下としてではなく騎士に? これにはどういった意図が? 」



さっき言った通りデストロイヤーには、騎士に戻ってもらったほうが都合が良いとは他に別の狙いがある。


まさか、それに気づいたというのか?


バカみたいに「オーッホッホッホッ!」と高笑いをしているやつだが、なかなかに鋭いところがあると見た。


しかしだ。


デストロイヤーには悪いが、その意図を説明する前にあのことをまず言わないといけないだろう。



「・・・俺はここに悪の組織の創立を宣言したいと思っている」



ついに、ついにこの時が来たか。


この言葉を言う時が。


俺は今、かなり感慨深い気持ちに浸っている。


だというのに、他の三人は怪訝な表情をしている。


なんか「え? もう組織として動いているつもりだったのですが、まだ作っていないという認識だったのですか? 」とでも言いたげな表情だ。



「え? もう組織として動いているつもりだったのですが、まだ作っていないという認識だったのですか? 」



ビショップが言ってきた。


本当に言ってきやがった。


違う、違うんだよ。


俺としてはまだ創立してなかったんだよ。


あれか?


総帥と呼ばせたことがいけなかったのか?



「世界征服を目的として組織だ。総帥は引き続き俺。お前たちは部下。拠点はひとまずは、このレオニルア王国の王都としたい」



とりあえずビショップをスルーして話を進める。



「世界征服・・・なんと志の大きいことでしょう」


「ウェーイ! さっすが総帥! 目標のスケールもそこらへんのオスとは桁違い! 」


「フフッ、このキングを部下とするのだから、世界征服くらい目指してもらいませんと」



世界征服という目標に関しては好評のようだ。


当然のようにみんな賛同してくれている。


これこれ、これだよ。


最低でも三人くらい俺の世界征服について賛同してくる奴はいる中で宣言したかったんだ。


気持ちよく世界征服を目指せる地盤を整えておきたかったんだ。


それで、さっきのデストロイヤーの質問に話は戻る。



「だが、表立って世界征服を目指していると公言すれば、邪魔をしてくる連中はごまんと出てくるだろう。故に組織としての活動は裏で行うこととする。つまりは、デストロイヤーの騎士のように表の顔を用意したいということだ。しばらくの間潜伏するというのは、その表の顔を作り上げる期間のことよ」



悪の組織っていうのは裏で活動するもので、普段は一般人に振舞っていたり表の顔というものがあるものだ。


まあ、悪の組織としての顔が表で、裏の顔が一般人とかそういうのになるのだが。


なんにせよ表と裏の顔を使い分けてこそ悪の組織というもの。



「総帥の考えは承知しました。それで、しばらくというのは具体的にいつまでになりますか? 」



ビショップが聞いてきた。


確かにもっと具体的な期間をなければ集まるに集まれないだろう。



「・・・五年かな」


「ご、五年ですか!? 」



ビショップが驚いた様子を見せる。


俺もビショップが驚いたことにビックリする。


あれ? どっちだ?


短いのか長いのかどっちの驚きなんだ?



「五年も総帥と会えないってこと!? あーん、そんなの寂しいよー」


「五年・・・くっ、その間は総帥様の顔すら拝めないとは・・・キングであっても挫けそうですわ」



バンディッドもデストロイヤーも残念そうな様子。


そうか長いのか。


流石に五年は長すぎだろうか。


申し訳ないことに適当に言った。


三年・・・いや、一年くらいに訂正するか。



「まあ、でもしょうがないかー」



ん?


バンディッドのやつが納得したかのような物言いをした。



「ここでドカンと暴れることによって、ジャンクフィールドにやべーのがいたぞ!って噂が広まって、どこもかしこも警戒が強まるわけ。特に王都はバリッバリの警戒態勢に入ると思うよ」



バンディッドの言葉は続く。


止まらねぇ。


まだ話が終わる気配を感じない。



「そうなると、悪の組織としての活動がやりにくくなるわけだ。噂が落ち着くのと警戒が弱まる時期を想定すると・・・うん、総帥の言う通り五年は待った方が良いかな」



バンディッドなりに、いつまでに広まった噂が落ち着くのかを分析していたようだ。


彼女は元は情報屋で、この分野に関しては詳しいというかプロ級。


どうやら、知らずのうちに情報のスペシャリストとしての彼女に火を付けてしまっていたらしい。


最初からバンディッドに、いつぐらいがいいか聞けばよかった・・・


それで、分析の結果、俺の言った五年が正しいようだ。


俺としては適当に言ったのだが、元は情報屋の彼女が正しいと思うのなら正しいのだろう。


じゃあもう次集まるのは五年後でいいか。


といわけで、総括入りまーす。



「よし。バハおよび騎士団を皆殺しにした後、バラバラに散って潜伏。五年後王都に集結するとしよう。異論がある者は? 」


「ありません」


「なしでーす」


「ないですわ」



はい、異論者なし。


これで決定ということで話は終わりだな。


というわけで、今日は解散、



「あれ? そういえば、もう組織を創設したってことになるんだよね? 」



しようと思ったところ、バンディッドから声がかかった。



「ああ、そうだ。今作った」



さっき、組織の創設を宣言するって言ったしな。


作ったには作ったぞと。



「名前とかってあるの・・・的な?」



そうか、名前か。


確かに組織には名前が必要だな。


名前ね。


うん、組織の・・・名前かぁ。



「名前・・・それは」


「それは? 」


「・・・バハをボコボコにするまでには考えておこう」


「ありゃりゃ」



バンディッドのみならず、ビショップもデストロイヤーもギャグ漫画のようなズッコケをした。


俺としたことが、まだ組織の名前は決め手なかった。


そうか、みんな決まっているものだと思っていたか。


本当に申し訳ない。


こればかりは適当に決めるわけにもいかず・・・うん、なかなかいい名前が思いつかない。


だが、本当にバハをボコボコにするまで、潜伏し始める前には、なんとか思いつくよう頑張るのでよろしくな!


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