3

のろい。

そう呪いだった。

父に愛されない母の呪い。

父に似た顔を覆い隠す呪い。

赦さぬ呪い。


おまえだけだれかとあいしあうことゆるさない


ラーヴァは茨をそういう物だとずっと思っていた。

受け入れていた。

諦めていた。


ひとつ、燃やし続けた想いはあった。


復讐だ。


それだけは、絶やさず燃して炎で消し炭にすると、決めていた。


母を殺した恨み?

愛されなかった妬み?

いいや違う。


優秀である己を認めない愚か者共への、制裁、だ。


呪われていようとも。

異様な姿だろうとも。

中身が優れていれば、何が問題だというのか。

何を怖れる必要があるのだろうか。


ああ、茨の王が恐ろしいか?


茨に覆われた生き物がそんなに怖いのか?


おまえたちが生んだ。


俺が。








「俺、空木の楓ってゆーんだ」


それがあらわれた。

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