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のろい。
そう呪いだった。
父に愛されない母の呪い。
父に似た顔を覆い隠す呪い。
赦さぬ呪い。
おまえだけだれかとあいしあうことゆるさない
ラーヴァは茨をそういう物だとずっと思っていた。
受け入れていた。
諦めていた。
ひとつ、燃やし続けた想いはあった。
復讐だ。
それだけは、絶やさず燃して炎で消し炭にすると、決めていた。
母を殺した恨み?
愛されなかった妬み?
いいや違う。
優秀である己を認めない愚か者共への、制裁、だ。
呪われていようとも。
異様な姿だろうとも。
中身が優れていれば、何が問題だというのか。
何を怖れる必要があるのだろうか。
ああ、茨の王が恐ろしいか?
茨に覆われた生き物がそんなに怖いのか?
おまえたちが生んだ。
俺が。
「俺、空木の楓ってゆーんだ」
それがあらわれた。
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