第28話

「な、なんでそんな飛び級してるんですか!?」

「私がギルマスに空上くんのランクあげてもいいじゃないって言ったらCまであげる許可が出たのよ」


ランクってそんなホイホイあげてもいいものじゃないだろ。まあティアさん的には給料が上がるから願ったり叶ったりなんだろう。


「あとギルドカードにはまだ反映してないからよ」

「いやなんで反映しなかったんだよ」

「許可が降りたのが出発の前の日だったから更新する時間なかったのよ」

「それなら仕方ないか」


Cランクに行くの少し大変そうだったし、飛び級で上げてくれたのはありがたい。一応目標はSだからな。


「ギルドカード作った後はこの2人のパーティーに入ればいいんですか?」


とエミリア元いエミリーが質問する。


「このパーティーに入ってもらうつもりだけど、Cランクのパーティーに入るにはあなたが求めるCランクかその1つの下のランクにならないといけないわね」


そういえばパーティーを作ったりメンバーを追加する時にそのパーティーのランクと冒険者のランク差が1つまでとかいうルールがあったな。

なんでこんなルールがあるんだか...誰かがなんかやらかしてできたルールなのか?まあこのルールもせいで俺らが面倒くさい事になっていることは分かる。


「俺らは一瞬でCランクまで上がったけれど普通はどれぐらいかかるもんなんだ?」

「普通は4、5年かかるものよ」

「え!?そんなに!?」

「私は3日でCランクになってやる!」

「意気込みはいいけどそう簡単に行くとは思わないけど」

「無理はしないでくださいね」


まあ急いで俺たちのパーティーにはいる必要は無いから無理する必要もない。だからエミリアのペースでランクを上げてもらえばいいしな。

それより眠くなってきた。さっきまで戦ったりしてたから疲れているみたいだな。


「ちょっとめちゃめちゃ眠いんで先に寝させてもらうな」

「ちょっと待って空上くん。交代で見張りしてもらうから後で起こすわよ」

「りょうかーい」




○○○○○○○○○○





何事も無く朝を迎えてさっそくトレドに馬車で向かっていた。


「昨日の夜はモンスターすら来ませんでした」

「確かにそうだな。まあ俺が起きてる時は結界魔法を張ってたから誰も入って来れないけどな」

「これから見張りは空上だけでいいんじゃない?」

「俺の睡眠時間はあるんですかね?エミリアさん?」

「もちろん0時間だから頑張ってね!」

「やだよ!」


全く人をおちょくるのが得意な王女様だな。

移動中ずっとこんな感じだったら俺めっちゃ疲れそうなんだが...。


「トレドが見えてきたわよ」

「え!まじ?って見えてきたってちょっと遠くに見えるだけじゃないか。てっきり目の前にあるのかと」

「そんなに早く着くわけないじゃない」

「そうですよ。まだ出発してから1、2時間しか経ってないですから」

「それもそうか」


まあ見えるってことは今日中には着けそうだな。マップを見た感じ俺が鑑定したモンスターの反応は無いし安全に行けそうだな。


「早くベットで寝た〜い!」

「一晩ベットで寝なかっただけだろ」

「だって野宿なんてした事ないんだもん。それであまり寝れなかったし」

「この先野宿が増えるのにそんなんで大丈夫か?」

「気合いで何とかするから大丈夫」


気合いでなんとかなるものなのか?本当に眠れなさそうだったらストレージにベットでも入れておこうかな...。


──数時間後


「トレドの目の前できたわよ」

「ほんとに目の前だな。って入口に衛兵がてってるけど入れるのか?」

「私が居れば大丈夫よ」


とティアさんが自信満々に言ってきた。


「本当に大丈夫なのか?」

「まあ見てなさいよ」


ティアさんが大丈夫って言うなら大丈夫なんだろけど何をするんだ?流石に賄賂じゃないよな?

そんな事を考えているうちに街の入口の所まで来ていて衛兵に止められた。


「止まれ!!この街に何をしに来た?」


もちろん止められますよね。それでティアさんはどうするんだと思いティアさんの方を見ると、懐から何かを取り出し俺たちを止めた衛兵にそれを見せるとすんなり通してくれた。


「めちゃくちゃ簡単に通れたんだが!?」

「ティアさん衛兵に何を見せたんですか?」

「衛兵に見せたのはこれよ」


と言ってさっき衛兵に見せたものを見せてくれた。


「ギルド職員証?」

「そうよギルド職員証。これがあればほとんどの街に入ることができるのよ」

「でもなんでこれで入れるんだ?」

「ギルドって色々な国や街にあるでしょ?だから仕事などでほかの街のギルドに行ったりする事が多いの。だからこれがあれば簡単に入る事ができるのよ」

「でもそれを盗んで悪用されそうだけど?」


確かエミリアの言う通り盗んで悪用しそうだな。


「それは大丈夫よ。これは魔力に反応して文字が出てくる仕組みになっているのだけどこれを作るのに持ち主の血を少し使って作るのするとその血を使った人の魔力にしか反応出来なくなるのよ」

「だから盗まれても文字がで出て来ないから使い物にならないという事か」


上手く出来てるもんなんだな。そんなことより無事トレドに着いて良かった。


「ここがトレドか。なんかミラレス王国の王都よりも大きくない?」

「それはここに色々な物資が集まるからよ。その分ここに珍しいものが入ってくるからそれ目当てで人も来る。するとお金も必然的に沢山入るのよ」

「だから街もこんなに大きいく賑わってるのですね」


馬車から降り街の様子を見て見るが確かに人がいっぱい居て賑わっていた。

ティアさんは3人が馬車から降りたのを確認し、


「私は場所を置いてくるからこの街の冒険者ギルドで待ち合わせね」


と言い残して行ってしまった。

ギルドの場所くらい教えて欲しかったけど...

まあ何とかなるか!


「ギルドに行く前に少し街を見てから行きませんか?」

「あ、私も見たい!何回か来たことはあるけど外に出してくれなかったからちゃんと見たことないんだよね」

「まあ俺も少し見たいしティアさんには悪いけど少し見てから行くか」




○○○○○○○○○○




「ちょっと遅いわよ!」

「「「すみませんでした...」」」

「少し遅くなるとは思っていたけどまさか日が沈みかける直前に来るとは思わなかったわ」


あの後街を少し街見てからギルドに行こうとしたが、美味しそうなのを売っている屋台が沢山あったのでそこで買い食いしたり、女子2名に服屋や雑貨屋などに連れ回されたりした結果想定していた時間を過ぎてギルドに着いてしまったのだ。


「はぁもういいわ。とりあえず泊まる場所は決めておいたけど二部屋しか取れなかったのよ」

「まじかよ...」

「それで部屋割りはどうするのよ」

「私達女子3人で一部屋ではダメなのですか?」

「それでもいいけどベットがちょうど2人が入る大きさで一人床で寝ることになるのよ」

「頑張れば3人で寝れるとかはむりなのか?」

「もう見た方が早いと思うか宿に移動するわよ」


と言われティアさんが決めた宿に移動して、部屋のベットを確認するために取った部屋に入る。


「確かに3人で寝るのはきついな。2人なら余裕だけど」

「なんて言うか微妙な大きさですね」

「これでわかったでしょ。それでどうするのよ」

「私は空上と同じ部屋でもいいよ?」


とエミリアがこっちを見つめて言ってくる。

いいよって言われてもまずい気がするんだが...

一応言っとくけど片山さんと同じ部屋になったのはただの事故だからな!


「そ、それはダメです!」

「なんでダメなの?」

「え、え〜と...それは...と、とにかくダメです!」


なんかエミリアと片山さんで言い合いが始まったんだけど...これは決まるまでちょっと時間がかかりそうだな。



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久しぶりです!

あけましておめでとうございます!

どうも准音希咲です!

ちょっと年末で忙しくて投稿まで期間が空いてしまいました。これからは投稿頻度上がると思うので今年も読んでくれたり応援してくれると嬉しいです。では次回の話もお楽しみに!


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