第21話

「ここからまあまあ近くてなんかいい街知らないかって難しい質問過ぎない?」

「とりあえず異世界を楽しみたいのと元の世界の帰り方も調べたい」


異世界を楽しめればいいかと思っていたけど昨日片山さんから両親に心配かけてると思うので元の世界に帰る方法も知りたいと言われ、俺も別にこの世界にずっと居たいわけではないしなと思い、帰る方法を旅のついでに探すことにした。


「そういえばあなた達異世界から来てたわね」

「私も空上さんに賛成で異世界を楽しんでもいいんですけど元の世界に両親がいるので心配かけてるかもしれないので...」

「そうよね...てか空上くんの両親は?」

「俺は...まあ心配かけるかもだけど異世界行ってたと言えば許してもらえそうなんで...」

「どういう親なのよ...一度会ってみたいわ」

「帰る方法見つかったらティアさんも一緒に来ませんか?」

「確かに香織ちゃん達が帰っちゃたら私の給料下がるしね。空上くんにそっちの世界で養ってもらうわ」

「言っとくけどあっちの世界じゃこっちがみたいに稼げてないからな!って次の目的地決めに来たんですけど」

「急かさなくてもいいじゃない。とりあえず調べてあげるからクエストでも受けて時間を潰してなさい」

「わかった。ありがとうティアさん。それで、片山さんはまたスライムの討伐でいいのか?」

「えーとゴブリンの方でお願いします」

「香織ちゃん?本当にそれでいいの?」

「はい。それでいいです。私も成長するためにゴブリンぐらいで怯んでられないです!」

「わかったわ。頑張ってね」

「はい!」




○○○○○○○○○○




「その短剣の撃てる上級魔法以上の魔法はゲームの魔法そのままだと多分、上級魔法の紅焔柱クリムゾンピラーとかかな。1回撃ってみて」


俺達はゴブリンの依頼を受けてローワーの森にやってきた。そして片山さんがまだ使い慣れていない短剣の能力がよくわかっていないので訓練も兼ねて実験している訳だが...


「わ、分かりました。えい? あれ?」


片山さんが短剣を振り下ろすが何も起きない。

魔力がないとか?いやでもさっき魔力を込めたばかりだしな。うーんあとは...


「片山さん刃から炎を出すイメージで。それと撃つ魔法の名前を言いながらやるといいんじゃないか?」

「確かにそうですね!それでやってみます。

紅焔柱クリムゾンピラー!」


片山さんが短剣を振り下ろした瞬間目の前の木が炎の柱に包まれた。


「空上さん!出来ましたよ!」

「この前のスライムを倒した時より威力強くないか?」

「ちゃんとイメージしたからじゃないですか?」

「確かにそうかもしれない。まあこれでその短剣でいつでも紅焔柱クリムゾンピラーは撃てるようになったな」

「まだ今回の様に上手くいくか分からないですけどコツは掴んだ気がします」


あとは紅焔柱クリムゾンピラー以外の魔法を撃てるかなんだよな。ゲームの時は最上級魔法とか撃てたけどこの世界だと弱体化してるかもしれないし...実際俺のゲームの時のステータスが同期してるとはいえスキルの方は結構消えていたりこの世界に合わせて改変されてたりしてるんだよな。だからワンチャンあの短剣も改変されてそうだしな。え?鑑定使えばいいって?

それはもう試したよ。


━━━━━━━━━━━━━━━

紅焔龍クリムゾンドラゴンの短剣

伝説級

炎魔法が撃てるすごい短剣!

━━━━━━━━━━━━━━━


結果はご覧の通り。相変わらず説明が雑すぎる!

相手のスキルとか鑑定する時はちゃんとできてるのにこういう物とかを鑑定する時はなんで雑になるんだよ...。まあだから実験してるわけで


「空上さん次は何すればいいですか?」

「そうだな...。次は上級以上の魔法も撃てるか試すか。じゃあ俺の炎魔法のお気に入り

禁呪指定最上級炎魔法炎星ノ崩壊ヘリオスコラプスを発動してみて!」

「禁呪指定?禁止された魔法のことですか?」

「そうだよ?」

「そうだよ?じゃありませんよ!なにかあるから禁呪指定されたんじゃないんですか!」

「確かにその魔法発動させると魔力吸われすぎて死ぬけど問題ない」

「いや問題しかないじゃないですか!」

「だって魔力ないじゃん」

「あ!確かにそうでしたね」

「魔力が吸われるのは短剣で片山さんからは吸われないから死ぬことは無いけど...」

「なんですか?」

「こういう裏ルートみたいな感じで発動させると太陽神が怒って出てくるぜ。神を呼び出す召喚魔法になるわけだな。まあ召喚したら俺らが攻撃されるんだけど」

「全然発動させたらいけないじゃないですか!まったくもう...」


さすがに炎星ノ崩壊ヘリオスコラプスは発動させて貰えないか。まあ今の俺で太陽神に勝てるか分からないしな。


「じゃあ炎魔法最上級エクスプロージョンで」

「その魔法は大丈夫ですよね?」

「大丈夫だって!今度は普通の魔法だから!」

「わかりました。やってみます。エクスプロージョン!」


そう言って片山さんは短剣を振ったが、


「何も起きないな」

「何も起きませんね」


まじか上級魔法しか発動しないのか...結構な弱体化だぞこれ。


ドゴォォォオオォオンン


「え?」

「きゃっ!」


数メートル先で大爆発が起こっていた。

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